感染後ME/CFS

まとめ:感染やワクチンによる異物の侵入が確定的トリガーになって、ME/CFSが発症します。新型コロナ感染症、新型コロナワクチンでも後遺症としてME/CFSに似た病態が起こってくるのではないかと考えています

長期に及ぶ疲労を主症状とする筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、様々なウイルス感染が確定的なトリガーになることが知られています。(2021年、Toogoodら

新型コロナウイルス感染後の後遺症として、ロングコビットと呼ばれる病態はME/CFSと類似していることが指摘されており、感染後のME/CFSと考えられます。(2021年のPoenaruら2021年のWongら

HPVワクチン後遺症のほとんどの患者は、ME/CFSの診断基準を満たすことが報告されています。(2015年、Brinthら)

2021年に黒岩らは、ME/CFSやHPVワクチン後遺症(HANS症候群)などのよく似た病態を視床下部性ストレス不耐・疲労症候群としての環境ストレス過敏症(環境ストレス不耐症)という病態モデルを提唱しています。

インフルエンザワクチンとME/CFSとの関係については、インフルエンザウイルスとの関連はあるがインフルエンザワクチンとの関連はないと報告されています。(2015年、Magnusら

新型コロナワクチンとME/CFSとの関連については、警笛を鳴らす報告(2021年、Linfordら)はありますが、確定はしていません。

ウイルス、細菌、寄生虫などのほとんどの感染性病原体は、分子模倣などのメカニズムで、遺伝的素因が関与して、自己免疫疾患が引き起こすことが総括されています。(2012年、Senerら)

2018年にBlombergらは、ME /CFSが感染後に発症するメカニズムを解説しています。

感染したウイルスタンパク質とヒトタンパク質の分子模倣によって、自己免疫が誘発されると考えられています。(2020, Phelan)(2021, Poenaru)