ジインドリルメタン(DIM, diindolylmethane)

ブロッコリー、カリフラワー、ケール、ルタバガなどのアブラナ科植物には、抗癌作用を持つ植物化学物質が含まれており、疫学的に抗癌作用があることが報告されています。

アブラナ科の野菜に含まれる抗癌作用を持つ植物化学物質としては、ジインドリルメタン(DIM)、スルフォラファン、エルシンがあります。(2020年、Mandrichら

エストロゲン活性を持つステロイド代謝物は、主にエストロン(E1)、エストラジオール(E2、最強)、エストリオール(E3)3つです。

DIMの作用は、CYP酵素に作用して、エストロンをエストロゲン活性が弱く、逆に乳がんに対する保護効果があるヒドロキシエストロン(2013年、Falkら)に変換することによって、結果として抗エストロゲン作用を発揮します。(2016年、Thomsonら

DIMが乳癌に対する保護効果のメカニズムは、このエストロゲン代謝作用以外にも、アポトーシス、酸化ストレスに対する応答の調節、細胞周期の調節など数多く報告されています。(2016年、Thomsonら

DIMの消化器がん(2016年、Kimら)、肺がん(2009年、Ichiteら)などに対する有効性も指摘されています。

DIMのエストロゲン代謝作用による抗エストロゲン作用によって、先進国でよく見られるエストロゲン優勢(PMS、子宮筋腫、子宮内膜症、PCOS、不妊、乳がん、子宮がんなど)に対して有効です。

アブラナ科の野菜の植物性プロゲステロン作用は、ケンフェノール(2014年、Tohら)以外にも、このDIMの抗エストロゲン作用を介して発揮されます。(2020年、Ramirezら

DIM を 10〜20mg 摂取するには、約700gのアブラナ科の野菜を食べなければなりませんので、サプリで摂取する方法もあります。