メラトニンの基礎と歴史

メラトニンはカエルや魚の皮膚美白剤として、皮膚で生産されることが最初に発見され、太陽光の紫外線放射とそれに伴うミトコンドリア機能障害に対するメラトニンの保護的役割が指摘されています。(2017, Slominski)

反対に、メラトニンは合成酵素の暗所誘導活性(1972, Klein)(2011, Gooley)によって松果体で合成される神経内分泌ホルモンであり、睡眠調節、概日リズムの調節を行います。

それ以外にも、抗酸化作用によって、免疫増強、代謝調節、アンチエイジング、抗腫瘍作用など、幅広い生体機能を発揮します。(2020, Luo)

メラトニンは、現在に至るまで、細菌、酵母、菌類、動物、植物を含むすべての生物に存在し(2016, Hardeland)、光合成と呼吸中に発生するフリーラジカル生成から生じる酸化ストレスを制御する能力を保持しています。(2015, Manchester)

フリーラジカルからの分子保護を提供するためにもともと進化したと考えられているメラトニンによる追加機能の獲得は、非常に長い進化期間にわたって発生しました. メラトニンが最初にバクテリアに出現したのは、約30億～25億年前であると考えられており、古代の抗酸化物質とも呼ばれています。(2019, Zhao)

メラトニンは、ビタミンCの10倍と言われるラジカルスカベンジャーとしての高い効率、すべてのバイオバリアを容易に通過できる両親媒性、およびミトコンドリアに入る能力に基づいて、特にミトコンドリアを標的として、主要な抗酸化物質として機能します。(2011, Galano)(2017, Riter)

酸化ストレスに相関して起こるオートファジーをメラトニンが調節することが総括されています。(2019, Boga)

マトリックスからのメラトニンがミトコンドリアから漏出して、メラトニン受容体である MT1 および MT2 と相互作用して、シトクロム c の放出を制御する可能性が指摘されています。(2019, Zhao)