現代はIQが低下しつつあります

(参照:知的障害も増えている

20世紀には世界的にIQが約 3ポイント/10年上昇する「フリン効果」が確認されていました。しかし、ノルウェーの研究(1962〜1991年に生まれた約73万人の男性データ)では、1975年以降生まれの世代はIQが徐々に低下し、 フリン効果が逆転した(いわゆる「ネガティブ・フリン効果」)とされています。研究によると、この低下は遺伝ではなく教育環境、読書習慣の減少、インターネット・メディアの普及、栄養変化など 環境要因による可能性が高いと分析されています。(2018, Brastberg)

1939年から2022年にかけて、ウェクスラー成人知能検査を受けた大学生サンプルの平均IQスコアのメタ分析を実施しました。今日の学部生の平均IQはわずか102IQポイントで、年間約0.2IQポイント低下していることがわかりました。また、学生のIQは大学によって大きく異なり、大学の選抜性(入学者の平均SATスコアで測定)と相関関係があります。これらの調査結果は広範な意味合いを持ちます。第一に、大学と教授陣は、学生がもはや並外れた存在ではなく、単に平均的な存在であることを認識し、カリキュラムと学問の基準を調整する必要があります。第二に、雇用主はもはや、大学の学位を持つ応募者が学位を持たない応募者よりも優秀で賢いと期待することはできません。第三に、学生は大学への入学がもはやエリート集団への招待ではないことを認識する必要があります。第四に、科学文献や一般文学における優秀な学部生の神話は払拭されるべきです。第五に、学歴に基づいて病前IQを推定することは、非常に不正確で、時代遅れであり、証拠に基づかず、単なる希望的観測に過ぎません。第六に、時代遅れのIQデータやテストは、例えば臨床心理士がクライアントの知能や認知能力について意見を述べるなど、個人に関する重要な決定を下すために使用すべきではないです。(2024, Uttl)