豚バラを食べると咳が出る理由〜動物脂肪中の植物油比率の増加

最近は、市販の豚肉に含まれる不飽和脂肪酸(いわゆる植物油)の比率が増えています。

指標昭和期(三重県試験・腹部皮下脂肪)現代(MAFFまとめ・近年論文代表)
飽和脂肪酸(SFA)合計(%)約 39.2%(C14:0 1.38 + C16:0 24.18 + C17:0 0.27 + C18:0 13.36 ≒ 39.19). 三重県公式サイト約 35–40%(代表範囲;レビュー/MAFFは概ねこの範囲を示す)。農林水産省+1
一価不飽和脂肪酸(MUFA、主にオレイン酸 C18:1)約 46.7%(C16:1 2.81 + C17:1 0.26 + C18:1 42.85 + C20:1 0.73 ≒ 46.65)。三重県公式サイト約 42–45%(しばしば≈45%前後) — 近年の豚バラ解析は MUFA が最も多く(約43–45%)と報告。ResearchGate+1
多価不飽和脂肪酸(PUFA、主にリノール酸 C18:2 等)約 14.2%(C18:2 12.78 + C18:3 0.64 + C20:2 0.47 + C20:4 0.30 ≒ 14.19)。三重県公式サイト約 8–15%(飼料により大きく変動、MAFFは概ね10%前後を示唆)。PUFA は飼料影響を強く受ける。

飼育資料として本来は牛は完全草食、豚と鶏は草食を主とした雑食ですが、これが安価なトウモロコシ・大豆になり、肉の脂肪酸プロファイルに直結します。

顕著に増えている一価不飽和脂肪酸のオレイン酸は、植物油の主成分であり、これが喘息、アトピー、アレルギーの根本原因のひとつです。(アレルギー体質の原因は、まずは植物油

■油に関しては、魚が最も優秀です。牛<鶏<豚の順番でマシですが、畜産系の脂身は避けたほうが無難です。

食品飽和脂肪酸(SFA)一価不飽和脂肪酸(MUFA, 主にオレイン酸)多価不飽和脂肪酸(PUFA, n-6+n-3)特徴
🐄 牛肉(和牛・国産)約 40%約 50%約 5–10%オレイン酸が多く、融点が低くて口溶け良い。飼料により変動。
🐖 豚肉(一般市販)約 35–40%約 45–50%約 10–15%飼料油脂の影響大。リノール酸がやや増加傾向。
🐔 鶏肉(ブロイラー)約 30–35%約 45%約 20–25%多価不飽和脂肪酸が多く、酸化しやすい。飼料油で変化。
🐟 魚(サバ・イワシなど青魚)約 25–30%約 25–30%約 40–50%DHA・EPAなどn-3系が豊富。抗炎症・血流改善効果。

■食用油の脂肪酸比率はバターが最も優秀です。

脂肪・油SFA(飽和脂肪酸)MUFA(一価不飽和脂肪酸)PUFA(多価不飽和脂肪酸)特徴
🧈 バター65–70%25–30%2–5%短鎖脂肪酸多め(C4:0〜C10:0)、固体で風味強い
🐖 豚脂(ラード)35–40%45–50%10–15%MUFA(オレイン酸)豊富、肉質に近い脂肪酸比率
🐄 牛脂(牛背脂)40–45%50%5–10%オレイン酸多め、融点低めで口溶け良い
🐔 鶏脂(鶏皮脂)30–35%45%20–25%PUFAが比較的多く、酸化しやすい