バイカリン
バイカリンはフラバンの構造式を持つフラボノイドと呼ばれる植物化学物質のひとつです。
バイカリン(baicalin)は、エピガロカテキンガレートやケルセチンと同様に新型コロナウイルスを中和する天然由来の成分です。(2021, Hong)
ウイルスが体内に侵入した際、ウイルスの作るRNAを感知することで人体の免疫機能が働くが、新型コロナウイルスが作る酵素Nsp15はコロナウイルスが作ったRNAを分解することで、ウイルスの存在を気付きづらくして、感染を容易にしていると考えられる。このNsp15の天然阻害剤として、上記3つが報告されている。この中でエピガロカテキンガレートが最も強く阻害し、さらにin vitroの SARS-CoV-2 株を使用したプラークアッセイでも 強力な抗ウイルス活性を示しました。
バイカリンとバイカレインはSARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することで抗ウイルス作用を発揮します。(2021, Zandi)
バイカリンは新型コロナウイルスに対して抗ウイルス効果があることが報告されています。(2021, Kaul)(2022, Huang)
バイカリンは、in vitroのドッキング検査で、新型コロナウイルスのスパイク糖鎖に対する親和性が、植物化学物質や標準薬剤と比較しても最も高いです。(2021, Pandey)
バイカリンは、自己免疫疾患への有効性が報告されています。(2018, Xu)
バイカリンは、自閉性(2022, Eleasawy)およびADHD(2015, Zhou)への有効性が指摘されています。
黄芩(おうごん)は、コガネバナ(黄金花)の周皮を除いた根を乾燥させた生薬で、黄連解毒湯、小柴胡湯、大柴胡湯に含まれ、主成分はバイカリンです。
黄連解毒湯は、バイカリンの黄芩(おうごん)とベルベリンの黄柏(おうばく)を含み、いずれも抗ウイルス作用を期待できます。
バイカリンは、AMPK の活性化により、メタボリックシンドロームの予防および治療効果が指摘されています。(2021, Baradaran Rahimi)
バイカリンは、その他にも抗癌作用(2021, Shigh)、心血管作用(2020, Xin)、抗ウイルス作用(2021, Li)などが報告されています。
バイカリンの黄芩(おうごん)とベルベリン黄柏(おうばく)を含む小柴胡湯が発熱を伴うME/CFSに対して有効であった症例が報告されています。(2020, 沼田)