エピガロカテキンガレート

まとめ:新型コロナ感染症、新型コロナワクチン後遺症の急性期の症状は緑茶成分のエピガロカテキンガレートが有効です。感染予防、慢性疲労にも効果が期待できます。

エピガロカテキンガレート(Epigallocatechin gallate)は、植物の中でお茶、特に緑茶に最も多く含まれている植物化学物質であり、抗酸化作用や抗癌作用(2020, Tauber)を持つことが知られています。

エピガロカテキンガレートは、SARS-CoV-2 スパイクと受容体の相互作用の阻害することが報告されています。(2021, Liu)さらにSARS-CoV-2だけでなく、MERS および SARS-CoV シュードタイプのレンチウイルスベクターもブロックしin vitro でウイルス感染を阻害しました。(2021, Henss)

新型コロナウイルスが持っているウリジル酸特異的エンドリボヌクレアーゼ Nsp15 は、複製のためにウイルス ゲノムを処理し、ウイルス RNA の polyU 配列を切断して、宿主の免疫系に干渉します。SARS-CoV-2 由来の Nsp15 に対する阻害する天然成分を調べたところ、エピガロカテキンガレートが最も阻害しました。これ以外にもバイカリン(サプリ、小柴胡湯)、ケルセチン(玉ねぎに含まれる抗酸化ポリフェノール)が強い抗ウイルス作用も持っていました。

このことは、緑茶を使ったうがい薬、鼻洗浄液、または鼻スプレーで使用すると、SARS-CoV-2 または他のコロナウイルス関連疾患による感染の予防により効果的である可能性があることを意味します。(2021, Hong)

エピガロカテキンガレートは、スパイクタンパク質の 3 つの異なる結合部位 (I、II、および III) のすべてに結合することによって、ACE2受容体への結合を阻害することが指摘されています。(2021, Maiti)

COVID-19 で増大する過剰炎症(抗ウイルス作用、抗炎症作用、肺における抗線維化作用)に対抗する安全な天然サプリメントであることが指摘されています。(2020, Menegazzi)(2021, Chourasia)

エピガロカテキンガレートは、インフルエンザ A H1 N1 ウイルスに対して、in vitro および in vivo で用量依存的に強力な抗ウイルス効果を持つことが報告されています。(2008, Xiao)

緑茶由来エピガロカテキンガレートによるインフルエンザウイルス誘発性活性酸素種生成をin vitro および in vivo で改善することが報告されています。(2012, Ling)

エピガロカテキンガレートは、in vitro でマディンダービー犬腎臓 (MDCK) 細胞におけるインフルエンザ A ウイルスおよびインフルエンザ B ウイルスの両方の感染性を阻害することが報告されています。(1993, Nakayama)

エピガロカテキンガレートは、CD4陽性T細胞に結合してHIV感染を阻害することが報告されています。(2006, Williamson)

エピガロカテキンガレートは、ヘルペスウイルスに対しても抗ウイルス作用を発揮します。(2003, Chang)

エピガロカテキンガレートはマウスの慢性疲労症候群を改善することも報告されています。(2009, Sachdeva)(2019, Haβ)

エピガロカテキンガレート、レスベラトロール、クルクミンなどの特定のポリフェノールがオートファジー応答を誘発できることを示しており、その結果、細胞の寿命を延ばし、アミロイド疾患でのいくつかのヒトのミスフォールド/凝集ペプチドおよびタンパク質のクリアランスを促進するオートファジーによるハウスキーピング機能を改善することが報告されています。(2013, Lamb)

エピガロカテキンガレートは、自己免疫疾患に対する有効性が報告されています。(2021, Errachid)(2003, Song)(2012, Wang)

エピガロカテキンガレート以外の新型コロナウイルスを中和する天然由来の成分としては、ケルセチンバイカリンがあります。(2021, Hong)

新型コロナウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを標的としたドッキング実験で、200種類の植物化学物質の中で、新型コロナ感染症を阻害する可能性のある物質は、ベルベリン、エピガロカテキン、スウェルチシン、ノビレチン、ピノレジノール、カフタル酸、ヘスペレチン、アイランディシン、ネオクロロゲン酸およびセサミンでした。(2021, Mahrosh)