むずむず脚症候群
(過去記事を修正しました)
むずむず脚症候群では、座ることが出来ない、強い不眠などの症状が出てきます。
一般的には、膝から足首の間に両側性の不快感が出現します。動きによって軽減して、主に夜に症状が出現するため「ナイトウォーカー」とも呼ばれます。約半数で痛みを伴うことも報告されています。(2001年、Bassetiら)
薬の副作用として有名なむずむず脚症候群は、脳内のドーパミンとアセチルコリンのバランスが崩れることによって発症してきます。
ドーパミン神経がアセチルコリン神経に対して抑制的働いています。
以下がドーパミンの合成経路ですが、ここに問題があっても発症してきます。
合成出来ない=ドーパミン系の遮断で、むずむず脚症候群となります。
つまり、栄養の問題で症状が出ることもあります。最も有名なのは、鉄不足です。
マグネシウムの欠乏との関連を示唆する論文が、1998年のHornyakらをはじめとしていくつか出ています。
マグネシウムは、ニコチン性アセチルコリン受容体における、アセチルコリン放出抑制・親和性減少の役割を持っているので、マグネシウム不足がアセチルコリン優位(ドーパミン系抑制)を起こす可能性があります。
マグネシウム不足は、むずむず症候群の近縁疾患である周期性四肢麻痺障害(睡眠中に片足あるいは両足の不随意運動(ピクピク)が周期的に起こるため、頻回に脳波上の覚醒反応を生じ、夜間の不眠や日中の過眠が生じる病気)やこむらがえりとも関連も指摘されています。
治療法は以下です。
1.ドーパミンを遮断する薬剤の中止、減量。(抗精神病薬、胃薬など)
2.抗パーキンソン治療薬の投薬。(ドーパミン作動薬、抗コリン剤など)
3.ドーパミン合成のために、鉄、ビタミンB6、葉酸を服用、高タンパク食を摂取する。
4.マグネシウムを摂取する。