フェリチンの当院の目標値は、女性60〜、男性100〜ng/mL
フェリチンの正常値は、日本では低く考えられています。
ほぼ全員が低値なので、母集団の分布が、極端に低く傾いているからです。
検査会社の提示する基準値は、下記あたりが多いです。
基準値、 男:13〜277 ng/mL 女: 5〜152 ng/mL
ウィキペディアでは、
アメリカのMayo Clinicでは、
イギリスのSouth Tees Hospitalsでは、
論文から見ていくと、
大人男性の平均103、大人女性の平均35.6μg/Lです。(1973年の論文)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/27/1/27_1_28/_pdf
高齢男性399人の平均50.2±28.1、高齢女性428人の平均42.6±25.7ng/ml。(1989年の論文)
健康男性4566名平均136.1±1.4、健康女性4920名平均49.8±1.2ng/mL。(1999年アメリカの論文)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1786481/pdf/brmedj02229-0030.pdf
健康男性75名平均69.2±5.2、健康女性44名平均34.8±5.1ng/mL。(1972年イギリスの論文)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rinketsu/21/8/21_8_1098/_article/-char/ja/
1980年の日本の論文では、正常値を男性は平均144±75、女性の平均40±22ng/mLとしています。
キリがないですが結論は、現在の日本のフェリチンの下限値が異常に低値になっています。
原因は、鉄の摂取方法が日本では失われつつあるからです。
①基本的に肉の摂取量が、欧米の1/3以下。
②小麦に鉄が添付されていない。(世界78ヶ国以上で添付されています)
③野菜の促成栽培、土壌の貧困化、洗浄技術の向上により、野菜から鉄分が取れない。
④水道水の整備、浄水器の使用。
⑤ステンレス台所機材の使用、など。
例え、ヘモグロビン値が正常であっても以下の症状が出ることが多いです。
鉄欠乏があると、爪のコラーゲンの生成が不十分となります。
(コラーゲンの生成には、鉄を補因子、ビタミンCを補酵素として要求します)
スプーン爪まで行かなくても、爪が伸びない、爪が割れやすい、爪が薄い、爪に横割れ、横しわがあるなどの問題が出てきます。
他には、
八つ当たり、疲れやすい、むずむず症候群、イライラ、汗が出にくい、異食症(氷をかじる、土を食べる)などが症状です。
子供なら発達の問題が出てくるので、要注意です。
フェリチンが上がってくると、これらの症状が改善されてきます。
気分が安定して、より元気になってきます。
あと大事な検査は、平均赤血球容積 MCVです。
これぼ正常値を95 flと考えて、フェリチンと同時に見ています。
症状の改善レベル、MCVから総合的に考えて、フェリチンの本当の正常値を考えてます。
以上から、当院ではフェリチンの正常値を、検査会社の基準値より高く設定しています。