プロテインスコアが最も厳しい
タンパク質を評価するための指標が、プロテインスコアやアミノ酸スコアと呼ばれるものです。
理想的でないタンパク質を摂取すると、余ったアミノ酸を利用することが出来ないので、廃棄されます。この廃棄は腎臓で行いますが、廃棄する量が多いと腎臓に負担を掛けるために、慢性腎疾患では、タンパク食制限が推奨されています。
タンパク質は身体を構成する主要成分です。毎日排泄されるので、毎日摂取するのが原則です。
「どのタンパク質を摂れば、身体に負担を掛けずに身になるのか?」という話です。
理想的なタンパク質のアミノ酸組成は、現時点でも結論は出ていません。
昔からある「桶の理論」は、現在も有用であると考えられています。
タンパク質の評価とは、その時代に考え出された理想タンパク質と、食物のタンパク質に含まれるアミノ酸組成を比較します。
必須アミノ酸は、イソロイシン、ロイシン、リジン、含硫アミノ酸(メチオニン、システイン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン)、トレオニン、バリン、ヒスチジンです。ヒスチジンは、不可欠アミノ酸に入れるかどうかは、現時点でも結論は出ていません。
理想のアミノ酸組成と食物のアミノ酸組成を比較して、最も不足しているアミノ酸に着目します。その不足している食物のアミノ酸が60、理想のタンパク質のそのアミノ酸が100なら、60/100*100=60となります。比べて割合を計算して出た答えがスコアになります。そのアミノ酸が制限アミノ酸と言われ、スコアは60となります。
1955年にプロテインスコアが発表されて、その後1973年、1985年、1993年、2007年、2013年に改訂されていますが、改訂の度に評価が甘くなってきているいるようで、多くの食物がタンパク質として満点であるという評価尺度になってきてます。
1.2013年の消化必須アミノ酸スコア Digestible Indispensable Amino Acid Score (DIAAS)
乳製品が高く評価されており、粉乳は122と髙値になってます。
ホエイプロテインの優位性が再評価されています。
2.2007年のアミノ酸評価パターン。(日本食品標準成分表2015年、アミノ酸成分表編)
https://www.kyoiku-tosho.co.jp/b_data/correct/teisei_colorchart.pdf#search=%272015+アミノ酸評価%27
単位が、食品の基準窒素1g当たりのアミノ酸組成から、食品のたんぱく質1g当たりのアミノ酸組成に変更されています。
根野菜などの多くの野菜が満点に変化してます。抹茶やココアのアミノ酸価が100になってます。
3.1993年: たん白質消化吸収率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)
4. 1985年のアミノ酸評価パターン。(アミノ酸成分表2010 第2表)
この時の評価では、野菜は軒並みタンパク質としては、低評価です。
5.1973年アミノ酸スコア
1973年のアミノ酸評価パターンを元にして計算されています。
この時の評価では、大豆はタンパク質として100ではなく、86です。
乳製品が100に近い評価に上がってます。
6.1955年プロテインスコア
1955年のプロテインスコアです。卵と人乳(と牛乳)から作られたと言われています。
この時の大豆のスコアは56です。
5.生物価
これは、生物価という別の評価方法です。
タンパク質を評価する方法は、沢山あります。
体重増加法、窒素出納、生物価、正味たんぱく質利用率、正味たんぱく質効率などです。
現在は、沢山の方法から総合的に推奨量を決めているそうです。
結論ですが、
沢山あるタンパク質の評価法としては、プロテインスコアが最も厳しいです。
次が生物値です。
私の意見としては、抹茶と卵を同じ価値だとするタンパク質の評価は、無意味です。
最も厳しい評価基準で、タンパク質の質を選択すべきです。