自閉症での高ホモシステイン血症
ホモシステインはメチレーション回路の鍵となる化合物で、酸化ストレスの原因となるために悪玉アミノ酸と呼ばれています。
自閉症で高ホモシステイン血症が見られるとという報告が、2006年にSergiu P. Pas ̧caら、2013年にAhmad Ghanizadeh、2013年にWen-jun Tuら(中国にて)、2011年にJoanna Kałużna-Czaplińska(尿中)なされています。
2011年にJ Kałużna-Czaplińskaらは、尿中のホモシステイン高値が、ビタミンB群投与で低下することを報告しています。
2015年にCarmen Puig-Alcarazらは、自閉症の尿中のホモシステイン高値が、コミュニケーション障害と相関していると報告してます。
一方で、2004年にSJ Jamesらは血中ホモシステインが自閉症群で減少、2006年にSJ Jamesらは、ホモシステインは有意差なし、2008年にSJ Jamesらは自閉症の母親群で増加と報告しています。
測定数値を見ていくと、施設によってバラツキがあります。これが、反対のデータが初期に出された原因ではないのかと想像しています。
結論としては、「自閉症では血中ホモシステインが高値になる傾向がある」と言う理解で良いと考えています。
大人では、高ホモシステイン血症は、動脈硬化のシャープな指標です。
子供では、成長期に酸化ストレスによって発達の問題が出てくると考えています。