メタロチオネイン

メタロチオネインは、①必須ミネラルの維持と有害ミネラルの解毒、および②抗酸化物質としての作用を持つタンパク質です。

アミノ酸残基61-68の低分子タンパク質ですが、その3分の1がSH基を持つシステインです。

このシステイン由来のチオール基(SH基)が、金属や活性酸素を取り込む性質を持っています。グルタチオン、αリポ酸、Nアセチルシステインと同じです。

メタロチオネインは2価の金属イオンの7〜10分子と結合することが出来、その結合力は水銀>カドミウム>銅>亜鉛の順番です。

この順番は、生体内に存在する金属イオンの量(つまりその金属の必要量)に反比例しています。

逆に言えば、その金属のヒトに対する毒性に比例しています。

このメタロチオネインの誘導を利用して、必須ミネラルの銅や亜鉛の摂取によって、カドミウムと水銀のデトックスが可能です。

これらの金属および活性酸素によって誘導されて、体内で合成されます。

イタイイタイ病では、大量のカドミウムによって、大量のメタンチオネインが誘導されていますが、この大量のメタロチオネインが活性酸素を除去するために、動脈硬化が起こりにくいことが知られています。