Autism:Beyond the Basics

2019年12月13日

ウイリアム・ショー博士の新作(2010年)です。内容の一部を抜粋します。

■自閉症と低コレステロール血症。

SLOS(スミス・レムリ・オピッツ症候群)は、コレステロールの最終合成段階の酵素の遺伝的な欠損により、重篤な低コレステロール血症に加えて、短い親指、足の指の融合、光過敏症、攻撃的行動、慢性疲労、房室中隔欠損症、白内障などぼ症状が出る疾患です。

SLOSの中で、身体症状が目立たず、自閉症症状が前景に立つ症例もあり、SLOSの半分以上は自閉症の診断基準を満たすと言われている。

卵黄などのコレステロールを多く含む食品によってSLOSの自閉症症状が改善することから、自閉症と低コレステロール血症との関連が推測されている。

低コレステロール血症を合併する自閉症児が、卵黄などのコレステロールを多く含む食品の摂取によって、様々な症状が改善することが報告されている。

自閉症の人の中に、SLOS遺伝子キャリアの人がいる可能性がある。

自閉症児100名のコレステロールの値を調べたところ、低値(160mg/dl以下)の子供が有意に多かった。

低コレステロール血症を持たない自閉症の人も、卵黄やレバーなどの高コレステロール食品を摂取することによって、うつ症状の改善、社会性の改善、攻撃性の減少などが期待できる。

■自閉症とリチウム欠乏

リチウムは精神の安定と関係しており、飲料水の中のリチウム濃度が、暴力や犯罪率と相関することが報告されている。

自閉症児では、毛髪検査などでリチウム欠乏が多く存在することが知られている。

リチウムが除去された浄化水の使用と自閉症の増加との関連が指摘されている。

■自閉症とタンパク質欠乏

血中や尿中のアミノ酸検査によって、タンパク質の不足を調べることが出来る。

特に血中のプレアルブミンを必須アミノ酸摂取のマーカーとして利用している。

タンパク質を摂取出来れば、タンパク質の欠乏の問題は対処出来る。

■グルタミン酸は興奮性アミノ酸と言われており、様々な精神疾患との関連が指摘されている。

中華飯店症候群とは、調味料のグルタミン酸を大量に摂取したためにビタミンB6の欠乏が起こり、頭痛やめまいが起こる病態です。

グルタミン酸を抑制性アミノ酸のGABAに変換する際に補酵素としてビタミンB6が消費されるからです。

自閉症のグルタミン酸が上昇している際に、グルタミン酸の効果をブロックするNAMENDA薬が役に立つ。

■自閉症におけるリジンの上昇。

■自閉症におけるメチレーション回路の異常。

ビタミンB12の注射による治療が自閉症に有効である。

メチレーション回路で作られるシステインは、グルタチオンの合成の材料であると共に、メタロチオネインの材料でもあります。メタロチオネインは、亜鉛輸送および重金属解毒が役割の重要なタンパク質です。

水銀中毒によりメチオニンシンセターゼ(ホモシステインのリサイクル)の障害が起きて、メチレーション回路の問題が起こってくる場合がある。

硫黄含有アミノ酸や硫黄サプリは、腸内細菌叢に作用してメタンチオールなどの毒性副産物を作る可能性がある。

■自閉症に対するビタミンB6のメガビタミン療法

カンジダの副産物であるアラビノースが、VB6の補酵素としての結合を阻害するので、大量のVB6が必要となる。

高価な活性型VB6ではなく、安価なVB6を服用することを推奨。

VB6摂取によって、シュウ酸の生成される過程を阻害させることにも役に立つ。

■抗酸化物質の問題

グルタチオンなどの硫黄含有アミノ酸のシステインが主役となるが、硫黄サプリや硫黄含有アミノ酸は、カンジダを悪化させる可能性がある。

■コエンザイムQをカンジダが阻害することによって、TCA回路の機能低下が起こる。

■ウイリアム・ウォルシュ博士は、自閉症428人の血中の銅/亜鉛比が有意に高いことを報告した。メタロチオネインの代謝異常と結論付けた。

適量のメタロチオネインの合成の障害、言い換えると重金属の解毒システムの障害が自閉症の原因のひとつと推測した。

■銅が蓄積する遺伝疾患であるウイルソン病のヘテロタイプが自閉症であるという仮説がある。

銅は肝臓に蓄積された後に、胆汁へ排泄される。

ウイルソン病は、肝細胞に蓄積した銅を細胞外に排泄する役割を担うタンパク質に障害があり、胆汁に排泄できなくなり、結果として肝細胞に蓄積した銅が全身に蓄積していく疾患です。

■シュウ酸と自閉症

シュウ酸は、自閉症と関連しており、低シュウ酸ダイエットにより自閉症症状が改善することが知られています。自閉症の84%が尿中シュウ酸値が高値です。

特にシュウ酸塩を多く含む食品には、ほうれん草、ビート、チョコレート、ピーナッツ、小麦ふすま、茶、カシューナッツ、ピーカンナッツ、アーモンド、ベリーなどです。

シュウ酸は、食物、腸カンジダ症、人体の代謝の3つの経路で身体に入りますが、カンジダが最大の問題です。

アシドフィルス菌とビフィズス菌はシュウ酸ぼ分解酵素を持っているので、このプロバイオティクスを摂る方法があります。

カンジダクレブス回路でシュウ酸の産生を抑制するのに、VB6が役に立ちます。

シュウ酸マグネシウムはシュウ酸カルシウムよりはるかに溶けやすいので、マグネシウムの摂取によって、体内のシュウ酸カルシウム結晶の溶解に役立つ場合がある。

■自閉症に対する高圧酸素療法

高圧酸素療法は、加圧チャンバー内で1気圧(atm)を超える圧力で最大100%の酸素を吸入します。小児でのHBOTの使用は、合計で40セッションで1日2時間、最大2.0気圧の圧力でも安全であることが確かめられている。

高圧酸素療法は、自閉症、脳性麻痺などへの有効性が報告されている。

メカニズムとしては、脳内の低酸素による慢性炎症を軽減させると言われている。

高圧酸素療法は2.0気圧レベルでは酸化ストレスになることはないと言うデータが出ている。

ロンバートが提唱する自閉症のミトコンドリア機能低下説に照らしても、高圧酸素療法の効果が期待できる。

■自閉症と胃腸障害

自閉症と胃腸障害の密接な関係が多く報告されており、自閉症の行動障害は、消化器系の不快な症状に対する反応であるとも言われている。

■ホメオパシーによる治療

■食物アレルギーの問題