血液サラサラの薬が最もやめにくい
長尾和宏先生が「薬のやめどき」で、10種類の医薬品の止め方を書かれていますが、血液サラサラの薬の話は出てきません。
一般的な内科薬の中では、最も中止しにくい薬ではないかと思います。
特にステントや弁置換の術後の場合は、予防的に抗血栓剤の服用は必須となっています。
栄養面から血栓症の治療を考えてみます。
動脈血栓は動脈硬化(アテローム血栓)が原因となって起こってきます。
動脈硬化の原因は、コレステロールでもなく、悪玉コレステロールでもなく、酸化LDLでもなく、sdLDLでもありません。
中性脂肪が高くなるから、sdLDLが出来てしまい、そこに活性酸素が入り込んで、酸化LDLになるという順番です。
つまり、治療は中性脂肪を上げないためと酸化ストレスを減らすために、まずは糖質制限です。
静脈血栓は、生活習慣病を基礎疾患として持っていると、血管内皮が傷つき、そこに運動不足と脱水が加わって起こってきます。
ここでも生活習慣病の改善のための糖質制限が重要になって来ます。
人間の身体は、1年間で95%が再生されます。
血管の再生のために、タンパク質、ビタミン、ミネラルの十分な摂取が重要です。
血管の構造は、主にコラーゲンとエラスチンと言うタンパク質で造られており、毎日合成と分解を繰り返しています。
これらの材料が足りないと粗末な血管が造られて、脳出血などに繋がります。
血栓予防効果があるオメガ3脂肪酸、酸化ストレス対策としてファイトケミカルを含む緑黄色野菜の摂取も大切です。
どの疾患でも、栄養療法の方法はほとんど同じ結論になります。