低FODMAP食は下痢を治すための食事

IBSのための低FODMAP食は混乱しやすい食事療法ですが、便秘型よりも下痢型のIBSにより有効であることが総括されています。(2015年、Raoら

この低FODMAP食と、糖質制限、グルテンフリー・カゼインフリーダイエット、遅延型フードアレルギーのための食事、腸内フローラのための食事、炎症性腸疾患のための食事との関係を整理して行きます。

穀物、野菜、果物などの炭水化物は、炭水化物=糖質+食物繊維で構成されています。

細かく言えば少量ですが、グルテンなどのタンパク質を含んでいます。

食物繊維は水に溶けて腸内細菌のエサ(発酵)となる水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維に分かれます。

まとめると以下になります。

炭水化物=糖質+少量のタンパク質+水溶性食物繊維+不溶性食物繊維

炭水化物の中の「糖質を制限する」のが、糖質制限です。

食物アレルギーに関係する「タンパク質を避ける」のが、グルテンフリー・カゼインフリーダイエットや遅延型フードアレルギーの食事です。

低FODMAP食とは、「発酵性のある糖質を多く含む食物を避ける食事法」と定義されています。

言い換えると、「水溶性食物繊維を多く含む食物を避ける」のが低FODMAP食です。

一方で逆に、「多種類の水溶性食物繊維を含む食物を食べる」のが腸内フローラのための食事です。

炎症性腸疾患のための食事療法は、炭水化物に関しては不溶性食物繊維を減らすことが推奨されています。

治療の対象となる症状から食事療法を見ていきます。

糖質制限は、生活習慣病や精神疾患などの現代病を治すための食事療法です。

フードアレルギーを避ける食事は、腹部症状(ガス、腫れ、腹痛、便秘、下痢)、肌荒れ、疲労、鼻づまり、頭に霧がかかるなどの症状に有効です。

低FODMAP食は下痢型の過敏性腸症候群、腸内フローラのための食事は便秘に有効で、反対の関係です。

Raoらが2015年に総論を出しています。

低FODMAP食は、下痢型および混合型の過敏性腸症候群に有効で、食物繊維サプリメントは、慢性便秘および便秘型の過敏性腸症候群に有効であると言ってます。

食材については、糖質制限は、炭水化物から精製された精製糖質を主に制限します。

他の食事療法は、加工していない自然の食材を対象にしています。