ウォーキングより7秒スクワット
生活習慣病に対する運動療法は、治療ガイドラインでも推奨されています。
運動療法は、有酸素運動(ウォーキングなど)とレジスタンス運動(スクワットなど)に分けられますが、近年はレジスタンス運動の有効性が注目されています。
運動後1時間は、筋肉がインスリンを使わずにブドウ糖を取り込みます。
この運動の効果を利用して、血糖値の上昇を防ぎ、糖尿病を改善していきます。
ウォーキングのような低負荷で一部の筋肉の運動よりも、スクワットのような高負荷で広範囲の筋肉の運動の方が有効です。
カロリーの消費を目的としているのではないからです。
1時間程度のウォーキングの消費エネルギーでは痩せることは出来ません。
食事前のウォーキングのデメリット
食事前に運動をすると血糖値が低下して、身体が糖質を求めるので、糖質制限が出来にくくなります。
軟骨をすり減らす可能性もあります。
ダイエット目的で運動するならば、原則は食後です。
7秒スクワットは週2回の短時間の運動なので、継続もしやすいです。
スクワットは筋肉に負荷を掛ける方法なので、体脂肪の燃焼には直接は関係ありません。
スクワットだけで、糖尿病の改善は出来ても、痩せること(短期的に体脂肪を減らすこと)は出来ません。
体脂肪を減らすには、脂肪を分解するためにインスリンよりグルカゴンが有意なホルモンバランスの時間を作る必要があるので、「糖質制限と間欠的ファスティング」が基本です。
ダイエットは単独の方法では成立しにくく、組み合わせて実施するほど効果があります。
糖尿病に対する運動療法の効果について
① 運動の急性効果として、筋肉細胞の血液中のブドウ糖利用が促進され、血糖値が下がります。この機序はインスリンとは無関係なのがポイントです。
骨格筋や心筋の糖輸送体(ブドウ糖取り込み装置)はGLUT4(グルット4)で、通常は細胞の中に隠れていますが、運動時には細胞の表面に出てきて血糖を取り込むのです。 運動していない時は、グルット4は細胞の中に隠れているので、筋肉は血糖を極微量しか取り込むことはできませんから、主要エネルギー源は脂肪になるわけです。
② 運動の慢性効果として、インスリン抵抗性が改善する。つまり細胞に対するインスリンの効きが良くなります。