Wahlsプロトコール
前記事の多発性硬化症の食事療法の実践編です。
他の自己免疫疾患や、原因が不明と言われる現代病などにも大きな効果があります。
毎日日記を付けます。気持ちや体調の変化、特に皮膚の状態などを書きとめて、摂取した食物との関係を見ていきます。
サプリメントや運動療法なども有用ですが、サプリメントは1種類づつ体調の変化を見ながら摂取することを勧めます。
Wahlsプロトコールは、難易度や必要性に応じて、3段階プラス1種類になっています。(Wahls diet→Wahls pareo→Wahls pareo puls、Wahls elimination diet)
原則となるWahlsプロトコールの説明をします。これまで紹介した食事療法の中で最も厳しい内容です。
まずは毎日200ccの計量カップ3杯分(=およそ1皿)を目安として、緑の葉野菜、色つきの野菜や果物、硫黄を多く含む野菜をそれぞれ摂取します。3カップx3=合計9カップを毎日ですから、相当な量になります。スムージーなどで摂ることを推奨しています。
1.緑の野菜でビタミン、ミネラルを補給します。
レタス、ケールなどです。緑色がより濃いものがお勧めです。
2.色つきの野菜と果物を摂り、その抗酸化作用で炎症を抑えます。
にんじんなどの緑黄色野菜、ベリー類、フルーツ全般です。
でんぷんの多い色の付いていない根野菜(例えばじゃがいも)は制限します。
3.硫黄を多く含む野菜を摂取して、身体を解毒します。
キャベツ類、たまねぎ類、ブロッコリー、アスパラガス、カリフラワー、キノコ類などです。
4.グルテンフリー、乳製品フリーダイエット。
小麦製品と乳製品を制限します。卵と豆類も制限します。
Wahls先生自身が卵アレルギーを持っており、潜在的に卵アレルギーを持っている人が少なくないという理由で禁止食材となっています。
Wahlsプロコトールでは、食物アレルギーを起こしやすい食材は基本的に制限されます。
クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の患者の60%は、卵に対するアレルギーを持っています。
また季節性アレルギーを持つ人々の13%が、卵に対するアレルギーを持っています。
卵が身体に合うかどうか調べるには、チャレンジテスト(2週間以上卵を中止して、その後に卵を食べて体調の変化を見る。Wahls先生は100日プラン、つまり100日卵を中止することを推奨)をすれば判定出来ます。
5.タンパク質をグラスフェッドの肉、天然の魚から摂取します。
ボーンブロスも推奨しています。
6.お菓子、加工食品、加工肉を制限します。
7.グルテンを含まない穀物の米とキヌアは、食事療法のレベルによって制限から禁止とされます。