自己免疫スペクトラム

Tom O’BryanのThe Autoimmune Fixを読みました。

先進国の6人に1人は自己免疫疾患に近い状態であると言われています。これは、ニューイングランドジャーナルオブメディシンが、人類の歴史の中で初めて、私たちの子孫が両親よりも寿命が短くなると予想した理由です。

自己免疫疾患のSLEに関係する7つの抗体の検出の経年変化を示している図ですが、数年に渉って抗体が増えていき、症状が顕在化して、診断が下されるレベルになります。

細胞障害→組織障害→器官の炎症→器官の障害→症状の顕在化→診断と段階的に進行していきます。

これを自己免疫スペクトラムと名付けました。

SLEでは7つの自己抗体が身体を攻撃しますが、どの自己免疫疾患でも多数の自己抗体が存在してるために、自己免疫疾患は全身疾患になります。

自己免疫スペクトラムの初期症状は、疲れ、お腹の張り、気力が出ない、記憶があいまいになる、いらいらなどですが、最終的には、うつ、疲れ、肥満、生活習慣病に繋がります。

現在80種類以上あると言われる自己免疫疾患は、そのほとんどが第一にグルテンなどの食べ物、第二が環境から吸引される物質、第三が腸内細菌によって作られる内毒素であるリポ多糖類(LPS)が原因です。

自己免疫疾患の中で唯一解明されているのはセリアック病です。セリアック病はグルテンに対する免疫応答によって発病する遺伝的な自己免疫疾患です。

セリアック病では、小腸の絨毛が平板化しており、リーキーガット症候群と栄養不良を招いて自己免疫疾患を発病します。

このセリアック病の病態が自己免疫疾患が3つの要因(遺伝的脆弱性、食事を含めた環境要因、腸管バリヤの障害)で発病することを示唆しています。

グルテン過敏症では腸絨毛の平板化はセリアック病ほど目立ちませんが、似た病態があり、重度の炎症の存在が指摘されています。

セリアック病もグルテン過敏症も、主症状は同じで不安、うつ、疲労、体重増加で、進行すると精神疾患、糖尿病、肥満、認知症、心疾患に繋がります。症状の種類は300種類以上あることが報告されています。

ポイントは、グルテンを食事から抜けば、セリアック病もグルテン過敏症も完治するということです。

セリアック病よりもグルテン過敏症の方が予後が悪いというデータもあります。

麦由来のタンパク質を完全に分解できる人はいません。グルテン過敏症を持っていない人も、グルテンを摂取すると小腸の透過性に問題が生じることが明らかにされています。

グルテンフリーダイエットを時々行うのではなく、生涯続けることが必須です。

単なる炎症であれば生体にとって問題はありません。問題となるのは過度の炎症です。グルテン過敏症でない人も、グルテンを食べ続けると過度の炎症となります。

グルテン過敏症のことを知らない医者がほとんであることも大きな問題です。

グルテン過敏症は、他の自己免疫疾患(橋本病、シェーグレン症候群など)と合併することが知られています。