糖質制限のリバウンドについて

2021年1月15日

糖質制限は、現代病に対する基本的な食事療法で、私もこれまで沢山の方にお願いして来ました。

多くの方は糖質制限が成功して体重が減り喜ばれますが、しばらくすると多くの方がリバウンドされます。

精製糖質の依存性は強烈なので、相当意識の高い人でもリバウンドされることが少なくありません。

(リバウンドしても、また糖質制限をやり直せば問題ありません)

最近気になっているのは、極端な糖質制限からのリバウンドです。

私は基本的にはロカボ(1日糖質量100g程度)を勧めており、断糖療法やハイレベルのケトン食療法はほとんど勧めていません。

糖質制限を勧めてもされない人も多いですが、やり過ぎてしまったり、出来すぎてしまう人がいます。

セルフコントロールの得意な人や、ケトン体質に入りやすい痩せ気味の人や、もともと1日1食か2食の人が、糖質制限を始めると、簡単にケトン体質に入ります。

ケトン体は酸性なので、一気にケトン体質に入ると血液が酸性に傾いて、keto fluになってしまいます。

反対に、強いケトン体質に入ってしまった人が、たまたま甘い飲み物やパンや米などの精製糖質を摂ってしまうと、今度はケトン体が一気に失われて、血液がアルカリ性に傾き糖質酔いという状態になります。

糖質酔いとは、日頃糖質を摂らない人が糖質を摂ると、アルコール酔いとある意味似ている、全身倦怠感を主訴とした体調不良に陥ることです。糖質の代謝能力が衰えていること、血液中のpHの変化、急激な機能性低血糖症およびそれに伴うホルモンの変化などが原因と考えられています。

keto fluと糖質酔いを行ったり来たりする最悪の状態です。

つまり糖質制限をやり過ぎている人や出来すぎる人は、小さなリバウンドでも、体調不良になり、返って不安定になってしまいます。

極端な糖質制限によって、高度のケトン体を維持する食事療法は、出来る方は少ないのではないでしょうか。

ロカボにして、軽度のケトン体を維持する方が、体調が安定しやすく万人向けと考えています。

ロカボの目安は、1日糖質をげんこつ2個分と説明しています。

毎食で、複合炭水化物の果物か根菜を摂る方法もあります。

腸内フローラから見ても、炭水化物代謝のプレボテラと脂質代謝のバクテロイデスがバランス良く存在している、ブドウ糖とケトン体を両方使えるハイブリッドエンジンを持っている状態である「ロカボでセミケトンの状態」が良いと考えています。

低栄養性脂肪肝にご注意を

ケトン食療法のために糖質制限を行うと、身体はエネルギー不足を防ぐために体中の脂肪を分解させて、遊離脂肪酸として血中に放出して肝臓でケトン体を合成しようとします。

そこに少量でも糖質を摂取するとインスリンが分泌されて、この遊離脂肪酸からケトン体ではなく、中性脂肪が作られて脂肪肝となります。

完全な断糖であれば、脂肪肝にはなりません。

肝臓の中性脂肪は、リポプロテインの形で血中に放出されますが、この状態でタンパク質欠乏が加わると、肝臓から出ていくことが出来ずにさらに蓄積していきます。

ここでタンパク質量が体内に十分にある場合は、肝臓の中性脂肪はリポプロテインとして、血中に放出されて、糖質制限をしているにも関わらず、中性脂肪が少し高値になる場合があります。

つまり、極端な糖質制限からの小さなリバウンドや、極端なダイエットの中断や再開の繰り返し、断食の繰り返しなどで、低栄養性脂肪肝が起こって来ます。

身体は痩せているのに肝臓に脂肪が貯まっている状態で、体中の脂肪が肝臓に集中している状態です。

失礼ながら、「地獄の餓鬼」のような状態と説明させて頂いています。