ヤセ菌の話
腸内細菌の中でヤセ菌の代表と言えば、アッカーマンシア・ムシニフィラです。
肥満・糖尿病・炎症との関連で広く研究が行われています。
アッカーマンシア・ムシニフィラが増えると、体重が減り、糖尿病や炎症が軽減することが知られています。
食べもの、サプリ、薬でこのアッカーマンシア・ムシニフィラを増やすことが報告されています。
クランベリーがアッカーマンシア・ムシニフィラを増やすことが報告されています。
ベリーと同じでレスベラトロールを含む「皮付きピーナッツ」も、同じ効果が期待できます。
オレイン酸もアッカーマンシア・ムシニフィラを増やして、食欲抑制効果を発揮することが報告されています。
オレイン酸はオメガ9脂肪酸の代表ですが、オリーブオイル、ラードなどの動物性脂肪、えごま油などのオメガ3系脂肪酸に含まれています。
大豆イソフラボンの成分のひとつであるプエラリンも、アッカーマンシア・ムシニフィラを増やして肥満になりにくくすることが報告されています。
肥満に効くと言われる漢方の防風通聖散が、アッカーマンシア・ムシニフィラを増やすことも報告されています。
やせ薬としての作用も持つ糖尿病治療薬のメトフォルミン、SGLT2阻害薬は、アッカーマンシア・ムシニフィラを誘導して、糖尿病の治療効果を発揮することが報告されています。
2013年にSeifarthらは、6ヶ月のメトフォルミン服薬で5.8 ± 7.0 kg (5.6 ± 6.5 %)の減量を報告しました。
2年または9年で2.06±5.65%の減量などの報告もあります。
SGLT2阻害剤とGLP-1受容体作動薬の両方が、約2〜3 kgの平均体重減少を引き起こすというデータがあります。
2020年にWangらは、ショウガがマウスの肥満予防に有効であること、ショウガを常食したマウスの便移植をすることで抗肥満効果および腸内フローラの変化(ビフィズス菌属およびSCFA産生細菌(AlloprevotellaおよびAllobaculumの増加)を報告しています。
アッカーマンシア・ムシニフィラ以外では、クリステンセネラ(Christensenellaceae)が、マウスの研究からヤセ菌と言われており、米国の肥満者の研究で減少が指摘されていますが、タイの研究では逆に肥満者で増えるという結果になってます。