腸内フローラと野菜・果物の関係

「タンパク質が摂れた人は次は野菜と果物です」と、よく話をさせてもらっております。

主食文化のあるアジア圏では基本的に低タンパクに陥っており、反対に精製糖質依存、小麦製品や乳製品に対する依存が根強いです。

必須栄養素であるタンパク質と脂質を十分量摂れば、その食欲抑制効果によって、精製糖質、小麦・乳製品依存からの出口が見えてきます。

まとめ:野菜と果物の摂取によって、腸内フローラの多様性およびフローラバランスが改善されて、慢性疾患や発癌に対して保護的に作用します。

野菜と果物を十分に摂れば、腸内フローラの多様性が改善する記事を書きましたが、毎日の野菜・果物ジュースが腸内フローラの多様性を改善するという報告があります。ただし、これは市販の野菜ジュースなどではなく、家庭でジューサーやミキサーなどを使って作った生ジュースです。(2018年、Choiら)

またこの腸内フローラの多様性の改善に伴って、体重減少、排便の改善、皮膚症状、疲労感の改善が見られました。

小括:フェノール類やカロテノイドなどのフィトケミカル(植物化学物質)によって誘発される腸内微生物の変化について、数多くの研究が行われてきており、慢性疾患や発癌に対して保護的に働くことが報告されていますが、その作用機序などは完全には解明されていません。

野菜や果物に含まれる約40種類のフィトケミカル(植物化学物質)は、抗酸化作用と抗炎症作用に加えて、腸内細菌叢に作用して肥満や炎症性疾患に対して予防的に働くことが報告されています。(2018、Carrera-Quintarら

フィトケミカルは、腸内フローラおよび酸化ストレスに対して調整役として働くことが報告されています。(2020年、Martinezら)

腸内微生物が炎症性腸疾患、肥満、結腸直腸癌などの慢性疾患のリスクの低減に重要な役割を果たしているという確かな証拠があり、フィトケミカルはそれらと相互作用をしていることが報告されています。(2019年、Yinら)

フィトケミカルのポリフェノールは、腸内フローラを改善して、結腸癌の主要な発がん性経路に保護的に働くことを報告しました。(2012年、MacDonaldら)

フィトケミカルは、腸内フローラと連携して、結腸直腸癌の発病に保護的な役割を担っていることが報告されています。(2020年、Ganesanら