自閉症と短鎖脂肪酸

2021年3月27日

短鎖脂肪酸は腸内細菌が食物繊維をエサにして発酵することによって作られる酢酸、酪酸、プロビオン酸などのことで、身体の炎症反応、脂肪エネルギー代謝、免疫システムを制御しています。

脳との関係で言えば、自律神経、神経伝達物質と共に、短鎖脂肪酸が脳腸相関における双方向性通信システムの担い手になっています。(2018年、Scrivenら)

まとめ:自閉症と便中の短鎖脂肪酸との関係がバラバラの結果になるのは、摂取している食事内容が異なっているからである。

2011年にAdamsらは、自閉症の子供(n=58)の便中の短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロビオン酸、吉草酸)が少ないことを報告しました。

2012年にWangらは、自閉症の子供(n=23)の便中の短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸)が多いことを報告しました。

2019年にWangらは、自閉症の子供(n=45)の便中の短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸など10種類の短鎖脂肪酸)が対照群と有意差がないことを報告しました。

2019年にLiuらは、自閉症の子供(n=30)の便中の短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸)が少なく、吉草酸が多いことを報告しました。

属レベルでの短鎖脂肪酸産生菌は、酪酸産生菌がフィーカリバクテリウム、アナエロスティベス、クロストリジウム、酢酸産生菌がビフィズス菌、プロビオン酸産生菌がディアリスターです。

便中短鎖脂肪酸の量は、食事中の複合炭水化物の摂取量と短鎖脂肪酸産生菌とのバランスで決まります。

食事内容が、腸内細菌叢と短鎖脂肪酸産生に二重に強く影響を与えるので、食事内容を検討せずに短鎖脂肪酸だけを取り上げても、意味は少ないと考えます。