自閉症と胃腸症状

2021年3月25日

まとめ:自閉症と胃腸症状との関係は一定の結論に至っていません。全体で見ると、胃腸症状が対照群より多い傾向にありますが、自閉症では偏食が多いために、胃腸症状が出現していると考えることが出来ます。

食事内容を考慮せずに、胃腸症状を評価しても意味がないと考えています。

2017年にHolingueらは、自閉症と胃腸症状との関係について、過去144の論文をまとめた結果として、便秘の有病率の範囲は4.3〜45.5%(中央値22%)、下痢の有病率は2.3〜75.6%(中央値13.0%)、1つまたは複数の症状の有病率は4.2〜96.8%(中央値46.8%)と報告しています。

2003年にMolloyらは、自閉症の子供137人を対象とした研究では、24%に少なくとも1つの胃腸症状の病歴があり、下痢が最も一般的な症状であり、17%に下痢が発生していることを報告しました。また、胃腸症状と自閉症の症状との関連はなかったと報告しています。

2009年にRoumenらは、自閉症スペクトラム障害の172人の子供を対象とした研究では、22.7%が主に下痢と便秘などの消化管の問題があることを報告しました。また、この胃腸症状と自閉症の重症度との関連はなかったと報告しています。

2008年にMIngらは、ASDの160人の子供を対象とした特性研究では、59%が下痢または未形成の便、便秘、腹部膨満、および/または胃食道逆流症(GERD)を伴う消化管機能障害を持っていたことを報告しました。

2006年にValicenti-McDermottらは、150人の子供(50人のASD、50人の対照、および他の発達障害(DD)の50人の子供)の研究では、ASDの子供たちの70%が胃腸症状を示したのに対し、通常発達中の子供たちの28%およびDD子供たちの42%を示したことを報告しました。また、食事選択性(偏食)が消化器症状と関係することも報告しています。

2006年にAdamsらは、3〜15歳の40人の典型的な対照と比較したASDの51人の子供たちのグループによる研究では、自閉症の子供たちの63%が中等度または重度の慢性下痢および/または便秘を持っていると報告されたのに対し、対照群の子供では2%に過ぎなかったことを報告しています。

2011年にAdamsらは、自閉症の重症度と胃腸症状が相関することを報告しています。

2014年にChaidezらは、自閉症、知的障害、定型発達の960人の子供について、自閉症および知的障害の子供は、定型発達の子供に比べて、胃腸症状の問題を有意に持つことを報告しています。

2019年にLiuらは、対照群に比べて自閉症児では便秘(30%)が有意に多いことを報告しています。