便秘のある人は5倍ガンになりやすい
2019年にSundbollらは、デンマークでの大規模調査で便秘のある人は消化器癌になるリスクが5倍上がることを報告しました。卵巣癌のリスクは7倍に上がりますが、それ以外の非消化器癌のリスクは上がりません。
糞便中の発癌物質の結腸粘膜への接触時間が長くなること、腸内フローラが乱れが発癌に繋がることなどを指摘しています。
2018年にLarkinらは、進行がんにおいて、便秘の合併率が40%〜90%であることを報告しています。
2017年にWickhamは、総論で便秘は癌患者の60%に合併することを指摘しています。
便秘の記事も沢山書いてきましたが、根治療法は第一にグルテンフリー・カゼインフリーです。
小麦に含まれるグルテンと乳製品に含まれるカゼインは、オピオイド様ペプチドに変化することが知られています。
オピオイド鎮痛薬は、がん痛や慢性疼痛に対し、一般的な鎮痛薬が効かないときに用いられます。 強力な鎮痛作用をもつ半面、副作用として頑固な便秘を起こしやすいのが難点です。 これをオピオイド誘発性便秘症と言います。
オピオイドペプチドは消化管を麻痺させて、大腸の蠕動運動を遅らせて便秘にするだけでなく、小腸の蠕動運動を遅らせて下痢になる場合もあります。後者がSIBOです。
小麦製品・乳製品は便秘の原因にも、下痢にも原因になり得ます。
グルテンフリー・カゼインフリーが実践出来ても、まだ便秘傾向がある人は食物繊維が足りません。
食物繊維を摂取するための野菜と果物はビックリするぐらい摂らないと快便にはなりません。
腸内細菌が作る短鎖脂肪酸がエネルギー源になって、大腸の蠕動運動を促します。この短鎖脂肪酸は全身にレセプターがある主要な代謝物なので、便秘がある=短鎖脂肪酸が足りないことは、癌だけでなく様々な病態に繋がります。
犬や猫のように、うんちをしてもお尻を拭く必要がないくらい快便にしないと健康にはなれません。