大豆と癌の複雑な関係〜基礎研究より

まとめ:大豆と癌との関係は、基礎研究においては相反する報告があり、一致した結論には至っていません。

エクオールは,大豆イソフラボンの一つダイゼインが,腸内細菌によって代謝を受け,中間体のジヒドロダイゼインを経て生成されます。構造式が最もエストロゲンに強いので、最も強い生理活性を持っています。

2017年にZiaeiは、食事中のイソフラボンと乳がんのリスクについて総括しました。

イソフラボンは、培養中、動物モデル、および臨床試験において、乳がん細胞に対して抗エストロゲン作用およびエストロゲン作用を有する植物エストロゲンであり、腫瘍促進性および抗がん作用の両方があることを報告しています。

乳がん細胞に対するイソフラボンの相反する効果(細胞増殖とアポトーシス)が、in vitroとin vivoの両方で検出されていることを指摘しました。

2021年にHodらは、エクオールと癌との関係について総括しました。

エクオールの抗がん特性については、13の論文で報告されています。

10の研究が細胞増殖経路に焦点を合わせています。これら10の研究の中で、5つはエクオールの発癌性作用を報告しました。1つの研究は、抗癌作用を報告しました。残りの4つの研究では、エクオールには発癌性も抗癌性もなかったと報告されています。