糖質制限と攻撃性

2022年1月23日

まとめ:糖質制限をされている方で、攻撃性が強くなる場合があります。その場合は、複合炭水化物を摂取するロカボや高繊維食を推奨しています。

16世紀にまでさかのぼるQuolla Indiansは、暴力や殺人で定評があります。Quolla Indiansは慢性的な低血糖を経験していたことが知られています。(1973年、Bolton

清涼飲料水(反応性低血糖症を起こす)を多く飲む青年と暴力(2012年にSolnicら)、攻撃性と自殺行動(2013年、Solnicら)との関連が報告されています。

低血糖は自制心の低下を招くことが指摘されています。(2007年、Gailliotら

習慣的な暴力と反応性低血糖症との関連が指摘されています。(1982年、Virkkunen

自制心が、脳のグリコーゲンのレベルの低下によって損なわれることが指摘されています。(2008年、Gaillot

ブドウ糖の急性投与が、攻撃性を減らすことが報告されています。(2010年、Densonら

ブドウ糖負荷試験で起きる反応性低血糖と心理的な攻撃性との相関が報告されています。(1999年、Donohoeら

爆発的な気質が、糖尿病患者における血糖コントロールの不良と関連していることが指摘されています。(1991年、Lustmanら

低血糖と糖代謝の低下が、攻撃性と暴力に関連していることが総括されています。①血糖値を上げると攻撃的な行動が減少すること、②ブドウ糖を代謝できないことを特徴とする糖尿病の人は、攻撃的な衝動を制御することが困難な傾向があること、③米国の50の各州の糖尿病率は、各州の暴力犯罪率と正の相関があること、④グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症(低グルコースレベルに関連する代謝障害)の発生率が高い国では、戦争関連と非戦争関連の両方で死亡率が高いことを報告しました。(2011年にDeWallら

糖質制限中には低血糖によってグルカゴンが分泌され異化が起こります。またジュースなどで精製糖質を大量に摂取した後には、反応性低血糖が起こります。いずれの場合も、低血糖に対してストレスホルモンのアドレナリンやコルチゾールが分泌されます。

この低血糖に伴うストレスホルモンの分泌が、攻撃性に繋がります。

ほとんどの現代人は、精製糖質(ご飯、パン、麺、お菓子、ジュースなど)を終日摂っているため、反応性低血糖症を繰り返し、ストレスホルモンが分泌されて、イライラして間食したくなり、だらだら一日中食べることになり肥満を招きます。

糖質制限をしていると間食が出来ないために、イライラが募り攻撃性に繋がる場合があります。

糖質を摂りすぎても、摂らなさ過ぎても、どちらも低血糖症からストレスホルモンが分泌されて、攻撃性やイライラに繋がります。

糖質制限と一口に言っても、精製糖質を避ける糖質選択が非常に大切で、糖質量制限のレベルには注意が必要です。

当院では一般的にはロカボを勧めていますが、高度肥満の方には強めの糖質制限を勧めています。