高血圧とタンパク質

(2020年10月10日の記事を修正しました。)

まとめ:低タンパクでも高タンパクでも高血圧のリスクが上がります。

1999年のHeら2006年のElliottら2008年のWangら2001年のBruckら2002年のLiuらなど高血圧と低タンパク食との関係が報告されています。

地域によって食肉の摂取量に大きな差があることが知られています。(2015年、Michaら

欧米では食肉(動物性タンパク質)の摂取が多く、アジアでは少なくなっています。

日常から動物性タンパク質摂取量の多い欧米人は、植物性タンパク質と血圧が逆相関し、動物性タンパク質の摂取量の少ないアジア人は、総タンパク質量と血圧が逆相関しており、タンパク質の摂取が高血圧のリスクを下げると言われていました。

2022年にHeらが、タンパク質摂取量と高血圧リスクはU字型の関係になることを報告しました。

低タンパクでも高タンパクでも、高血圧のリスクが上がります。

すべての栄養素と有病率との関係はU字型になっています。

血管は、主にコラーゲンとエラスチンと言われる構造タンパク質で形成されています。

これらはタンパク質から作られるので、タンパク質が足りないと材料不足のためしなびた血管が出来上がります。

低タンパクにより血管の弾性が低いと血管のポンプ機能が働かないために血圧が高くなります。低たんぱく食は低血圧の原因にもなります。

高タンパク食により弾性を持つ血管が作られて、高血圧を防ぐことが出来ます。

他の高血圧の主な原因は、肥満と動脈硬化です。

血管の役割は身体の隅々まで血液を行き渡らせることです。

肥満や動脈硬化によって血管抵抗が高いと、身体が血圧を上げて血流を確保しようとします。

筋肉や脂肪の極端に少ない人(子供や痩せた大人)は、動脈硬化がなければ、血管抵抗が低いために逆に低血圧になります。

血圧が低くても、血液を身体に行く渡らせることが出来るからです。

高血圧は、生体の適応反応の結果として現れるアラームのひとつなので、安易に薬に頼らずに食事で正常化させるのが原則です。