シータ/ベータ比(Theta Beta Ratio)

シータ/ベータ比とは、定量脳波のCZ(頭頂部)において定量された遅い脳波成分のシータ波と早い脳波成分のベータ波の比率です。

CZにおいて脳がよく動いているか、あまり動いていないのかを示唆しています。

定量脳波でマップにして、シータ/ベータ比を見てみると、ほとんどケースでFZからCZに問題が出てきます。

これは脳の中では、大脳辺縁系と前頭葉を連絡(接続)する前部帯状回の活動を反映すると考えられています。(2012, Massar)

シータ/ベータ比は、動物脳(感情)を人間脳(理性)で管理する能力と関係しており、シータ/ベータ比が前前頭皮質を介した注意制御のバイオマーカーであると言われています。(2014, Putman)

小児期のADHD 患者におけるシータ/ベータ比の増加はバイオマーカーと言われています。(2003, Barry)(2012, Loo)

精神薬理学的治療がシータ/ベータ比を正常化することも報告されています.(2007, Clarke)

一方で、大人のADHDではシータ/ベータ比は健常者と有意差がなくなることから、シータ/ベータ比は小児期のADHDのマーカーであることが指摘されています。(2020, Kiiski)

当院では、ADD/ADHDの定量脳波の結果をサブタイプに分けて評価しています。

ADD/ADHDの定量脳波は、主に5つのパターンに分類できます。

1. Frontcentral θ EEG

2. Frontcentral α EEG

3. Excess β EEG

4. A low-voltage EEG

5. no clear QEEG deviation