半日断食のやり方、一生に一度だけ経験する地獄の2週間

人類の食事回数は、日本では江戸中期の1700年頃から1日2食が3食になり、ヨーロッパでも15世紀から16世紀くらいには1日3食を食べる週間が増えてきて定着していったと言われています。

人類は元々は2食以下の食生活を送って来ましたが、穀物が主食になって行く過程で、1日3食になりました。

基本的に1日3食の現代人が2食にすると、身体が適応できずインフルエンザのようなクラッシュ症状を起こします。

これをケトフル(keto flu)と言い、私は「一生に一度だけ経験する地獄の2週間」と呼んでいます。

このケトフルを乗り越えるための具体的な方法を説明します。なお、痩せ型や冷え性のある人や成長期の子供は、半日断食は不向きです。

第一段階、精製糖質のご飯、パン、麺、お菓子、ジュースを出来るだけ減らします、止めます。

精製糖質(ご飯、パン、麺、お菓子、ジュース)を摂ると、小腸から糖質の吸収速度が早いために、血糖値が急激に上昇します。その結果インスリンが分泌されます。過剰なインスリンの作用で、血糖値が下がりすぎて空腹感を感じるため、間食を摂るなど食事回数が増えてしまいます。いわゆる血糖値スパイクです。

食材の血糖値の上がりやすさを評価するGL値では、精製糖質は極端に高くなっています。

精製糖質(ご飯、パン、麺、お菓子、ジュース)の摂取が、食事回数が増える根本原因です。

つまり、甘いものを食べれば食べるほど、またすぐ欲しくなるということです。

第二段階、朝食の量を徐々に減らしていきます。

朝を飲み物だけ、バナナだけ、卵だけ、サラダだけ、味噌汁だけ、プロテインだけなど、またはこれらの組み合わせなどにして、徐々に減らして行きます。

この場合でも、出来るだけ精製糖質(ご飯、パン、麺、お菓子、ジュース)は摂らないようにします。

最終的には、昼食と夕食以外は水分だけで過ごせるようにします。

第三段階、ケトフル(keto flu)、一生に一度だけ経験する地獄の2週間

現代人は通常はグルコースを主体として、それを補助する形で少量のケトン体からATPを産生して生活を営んでいます。

肝臓や筋肉に蓄えられたグリコーゲンから作られたグルコースは、およそ12時間で枯渇します。その後に、脂肪の分解がはじまってケトン体が大量に生成されて、ATPの生成がグルコース主体からケトン体主体に切り替わります。

この時に発生した大量のケトン体が、血液のpHを酸性に傾けます。それを補正するために、骨からアルカリミネラルであるリン、カルシウム、マグネシウムが血中に溶け出してpHを保持しようとします。

生体内で起こるこの激しい代謝は、江戸時代までは日常的に体験していましたが、現代人にとっては初体験のために、挫折される方も多いようです。

インフルエンザのような症状のためケトフル(keto flu)と呼ばれます。身体がクラッシュを起こします。

ケトフルが来ると、頭痛、吐き気、めまい、頭がさえない、イライラ、不眠、動悸、糖質要求、下痢、便秘、筋肉のけいれんや違和感、衰弱、疲労、運動能力の低下、エネルギーレベルのアップダウンなどの症状が一時的に出現します。

これは、グルコース主体のエネルギー代謝からケトン体主体の代謝への切り替わりへの順応するための一時的な症状です。

およそ2週間で治まります。

第四段階、ケトフル対策はバナナ

ケトフル対策は、糖質を摂れば、一気にグルコール主体のエネルギー代謝に戻りますので、体調は5分から10分程度で落ち着きます。

身の回りにあるジュース、砂糖、はちみつなどでも大丈夫ですが、血糖値を急激には上げにくいバナナやイモをお勧めしています。

一旦撤退する戦略です。

数日、ケトフルを経験すれば、体が順応してきて、太古の脂肪燃焼システムが起動されてきて症状は治まります。

ミネラルバランスの最適化も重要と言われています。特にエピソムソルトなどでのマグネシウムを補給をお勧めします。

別の方法もあります。

通常は16時間断食を行いますが、12時間断食、14時間断食とだんだんと時間を伸ばして行く方法もあります。