自閉症と視線
自閉症児は口を、定型発達の子供は目を見る時間が多くなる傾向があると言われています。
2002年にPerphreyらは、自閉症児の視覚スキャンを行って、自閉症児が目と鼻を頻繁見ないことを報告しました。
2005年にDaltonらは、眼球運動を監視し、fMRIを使用して脳活動を記録しながら自閉症グループは目の領域への凝視が少なかったことを報告しました。
2002年にKlinらは、青年期の自閉症の人を対象として、アイトラッキングを調べて、目ではなく口や物体への固定時間は、社会的能力の程度の強力な予測因子であることを報告しました。
2007年にSpezioらは、自閉症の9人の高機能成人(HFA)は、顔の目の領域からの情報を利用できず、代わりに主に口からの情報に依存していることを報告しました。
下図は被験者が感情認識タスクを実行するときに情報を使用した顔の領域を示しています。
2017年に樋口らは、自閉症児は指などで指している物体に注意を向けるのが難しいことを報告し、このことが学校への不適応の原因のひとつではないかと考察しました。
(A)定型発達の子供と(B)自閉症の子供のヒートマップです。赤い部分は子供たちが長時間見つめています。
2014年にJonesらは、後に自閉症と診断された乳児は、2ヶ月から6ヶ月でアイコンタクトの減少を示すことを報告しました。アイトラッキングによって、自閉症の早期診断が出来ることを示唆しました。