癌に対するクエン酸投与について

癌細胞はグルコースしかエネルギーとして使えません。

この図の反応が、激しく起こって、身体に乳酸が蓄積してきます。

クエン酸は、この乳酸脱水素酵素(LDH)を阻害しますので、ピルビン酸→乳酸の反応を抑制します。

身体のエネンルギーを作るために糖新生が激しく起こってきます。筋肉や身体を分解したアミノ酸(糖原性アミノ酸)を元にして、オキサロ酢酸を経る経路です。

ここで、オキサロ酢酸が枯渇するために、クエン酸回路が回りません。

クエン酸を投与することによって、正常細胞では好気性解糖を行うことが出来て、エネルギーを作ることが出来ます。

糖新生の流れを止めることが出来ないならば、相当大量のクエン酸が必要になるはずです。

体内物質を利用できない状態で、外部からの投与だけで、クエン酸回路を回すわけですから。

全身のクエン酸回路を外から投入するクエン酸でまかなうのは量的に無理があります。

少し気になるのは、コリ回路(赤血球や筋肉でグルコースから乳酸を作り、肝臓で乳酸からグルコースに戻すまでの経路)において、肝臓でLDHを酵素として乳酸→ピルビン酸の反応があるわけですが、このLDHをクエン酸は阻害します。

肝臓にしかない、グルコース-6-フォスファターゼで、ピルビン酸→グルコースに一方通行で代謝されるために、肝臓でのピルビン酸の濃度が低くなります。

肝臓での乳酸→ピルビン酸の反応は、このピルビン酸の濃度が下がることによって、促進されますので、酵素のLDHがクエン酸に多少阻害されても、問題は少ないのかもしれません。

この点は、留意しておきたいと思います。

癌による乳酸アシドーシスの問題の解決のためには、クエン酸投与は慎重な検討が必要かもしれません。

また、糖原性アミノ酸が大量に、糖新生で失われますので、アミノ酸の補給が必要になります。

アミノ酸は代謝され方によって、「糖原性アミノ酸」と「ケト原性アミノ酸」の2つに分けることができます。 糖原性アミノ酸は、クエン酸回路を通って最終的にオキサロ酢酸になり、オキサロ酢酸から糖新生によって糖に作り変えられるアミノ酸です。 一方で、ケト原性アミノ酸は、アセト酢酸またはアセチルCoAになって、脂肪酸に作り変えられるアミノ酸です。 ヒトの代謝に用いられる20種類の中には、以下の3種類に分かれます。


BCAAだけでなく、すべての必須アミノ酸が必要になるはずです。

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