オレキシン
オレキシンは、1998年に発見された神経ペプチドで、摂食と睡眠・覚醒に関与しています。
赤ちゃんは、普段は寝ていることが多いですが、空腹を感じると、目が覚めて泣き、おっぱいをもらうと、また寝てしまいます。この摂食と睡眠と覚醒にオレキシンは密接に関与しています。
大人の摂食行動は、この赤ちゃんの行動と全く同じで、空腹を感じると、覚醒度が上がり、逆に満腹を感じると、覚醒度が下がり、眠くなります。
オレキシンを調整する要素は、①体内リズム、②情動、③栄養状態の3つです。
この栄養状態とは、空腹か満腹かという摂食のことですが、これは①血糖値、②レプチン(食欲抑制ホルモン)、③グレリン(食欲亢進ホルモン)の3つが関与してます。
レプチンは、小腸に食べ物が入ることに反応して、肥満細胞から分泌されます。
グレリンは、胃が空腹になることで、胃から分泌されます。
レプチンとグレリンは、拮抗ホルモンです。
オレキシンは摂食中枢とされる視床下部外側野に散在する神経細胞から分泌されています。
オレキシン神経の変性や脱落がナルコレプシー(眠り病)の原因とされています。