自閉症も自己免疫疾患
自閉症の原因は解明されていませんが、自己免疫疾患という側面があることを示唆する論文が多数出ています。
自己免疫疾患の家族から自閉症児が生まれる比率が高いことを示す論文が、1971年から多数報告されています。
自閉症と免疫の関係について、中枢神経では免疫を担当する小膠細胞(マイクログリア)による免疫応答の亢進が認められています。
末梢でも同様に、末梢血中の炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、IL-8、IFN-γ、eotaxin、MCP-1)が増えており、抗炎症サイトカイン(TGF-β)が減っていることが報告されています。
2019年にMossazらは、自閉症児の血中のTh17細胞が増えて、Treg細胞が減っており、Th17細胞/Treg細胞の比率が自閉症の重症度と相関することを報告しています。
これは重度の自閉症児ほど自己免疫疾患と同じ病態となっているという意味になります。
2020年にZouらは、自閉症児の自己抗体の総論として、ASDの子供たちは、健康な対照と比較して、抗脳抗体、抗内皮細胞抗体、抗核抗体、抗葉酸受容体抗体を多く持つことを報告しています。
自己免疫疾患の避けるべき食物として、小麦、砂糖、加工食品、保存食を記事にしましたが、自閉症に対する栄養療法も同じ方法が有効であると考えています。
2015年にLernerらは、工業的に生産される食品添加物などが、腸のタイトジャンクションを弛めて、リーキーガット症候群となり自己免疫疾患に繋がっていることを報告しています。
これらの添加物としては、砂糖、塩、ブドウ糖、乳化剤、有機溶剤、グルテン、マイクロトランスグルタミナーゼ(パン、牛乳、肉、魚などの食感を良くする生物学的接着剤)、ナノ粒子があります。