糖尿病と甲状腺疾患
まとめ:海藻を食べる量が少ない人、または極端に多い人は、糖尿病や甲状腺の問題が出る場合があります。
糖尿病と甲状腺疾患は合併することが多いことが知られています。(2010年のBrentaら、2011年のHageら)
特に1型糖尿病と甲状腺疾患は、合併率が高いことが報告されています。これらは、どちらも自己免疫疾患であるので、リーキーガットが背景に存在していることがその理由です。
2型糖尿病でも、甲状腺機能障害が合併するリスクがあることも報告されています。
ヨウ素は原子番号53の元素ですが、甲状腺ホルモンを作るために必要です。ヨウ素が足りないと甲状腺は機能が低下して、増えてくると甲状腺機能が亢進してきます。
一方で、根昆布療法などで毎日多くの昆布を食べ続ける、ヨウ素含有のうがい薬の多用などでヨウ素過剰状態になると、逆に甲状腺へのヨウ素の取り込みが阻害されて、甲状腺ホルモンが作られなくなり甲状腺機能低下症となります。(エスケープ現象)
ヨウ素の生物学的半減期は、乳児11日、5歳児23日、大人80日ですから、過剰摂取をやめれば通常は正常化していきます。
クロムは原子番号24の元素ですが、クロムとアミノ酸が結合したクロモデュリンが、インスリン受容体に結合することによって、インスリンがグルコースを細胞内に取り込む作用を活性化することが明らかにされています。
つまりクロムが欠乏するとインスリン抵抗性が起こって来て、その結果として2型糖尿病の病態に近づいて行きます。
ヨウ素は昆布、クロムはのり・あおさに特に多く含まれています。
これらの海藻類を食べる量が少ない人、または極端に多い人は、糖尿病や甲状腺の問題が出る場合があります。