遅延型食物アレルギーの卵と豆
遅延型食物アレルギーは、リーキーガット症候群や自己免疫疾患や難病と深く関係しています。
有名なグルテンは、遺伝子組み換えされた特殊なタンパク質であり、このグルテンを完全に分解・吸収出来る人類は存在しません。ただ、その人の体質(遺伝素因)によって小腸へのダメージのレベルが違うだけです。
細かいメカニズムは下図です。
腸内フローラに問題のありそうな人だけでなく、グルテンを摂らないに越したことはありません。
乳製品に含まれるカゼインは、グルテンとアミノ酸の組成がよく似たタンパク質であり、グルテンに対する抗体を持つ人は、カゼインに対して交差反応を示すことが知られています。
小麦製品に対して食物アレルギーのある人は、乳製品も制限した方が良いですし、逆に乳製品に食物アレルギーのある人は、小麦製品も制限した方が良いことになります。
レクチンとは「糖鎖と結合するタンパク質」と定義されていますが、グルテンのように穀物に含まれているものもあれば、豆類に含まれているものもあります。
豆類に含まれるレクチンも、グルテン同様にリーキーガット症候群の原因となります。
卵に対して遅延型食物アレルギーを起こす人も少なくありません。
実は卵や豆も、小麦製品や乳製品と同様に比較的新しい現代食であり、原始時代は食べられていませんでした。
海外でポピュラーなパレオダイエット系では、卵に対する評価は分かれており、結論は一致していません。
Wahls protocolでは、卵は原則的に禁止食材とされています。理由としては、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の人の60%は卵に対するアレルギーがあること、季節性のアレルギーを持つ人の13%は卵アレルギーがあること、好酸球性食道炎のトリガーのひとつが卵であることを上げており、卵がリーキーガット症候群を起こすトリガーのひとつになる疫学的なリスクを懸念しています。
一方でTransit protocolでは、卵アレルギーがなければ、卵は摂取可能食材に分類されています。
遅延型食物アレルギーの血液検査、パルステスト、チャレンジテストで豆や卵を摂っても問題がないのかを調べることが出来ます。
卵アレルギーの方は、低コレステロール血症になる可能性がありますので、レバーやししゃもを摂取したり、ビタミンB3を摂取する方法があります。