ビタミンD

欧米ではビタミンD強化食品が多く販売されています。ビタミンDを多く含む食べ物(魚や乳製品など)を積極的に食べても、日光を浴びても、血液中濃度は必要十分量に上がらない事が多いからです。

ビタミンDは、25ヒドロオキシビタミンDが血中濃度が測定できます。

30nmol/L以上あれば正常域ですが、50-80nmol/Lが至適濃度です。日本では、30nmol/L以上の人はほぼいないそうです。

原発性骨粗鬆症の病名が付けることが出来ない場合は保険適応出来ません。

25ヒドロオキシビタミンDは皮膚で生産された量と摂取されたビタミンD量を反映すると言われています。これは、ビタミンDの暴露量を反映すると言う意味です。体内の貯蔵量は反映しません。半減期は15日と長いです。

現時点では、この25ヒドロオキシビタミD濃度が、ビタミンDの指標として最も有用であると考えられています。

一方で、医薬品はすべて活性型ビタミンD剤であり、半減期は15時間から50時間と短いため、ビタミンDの補充には非活性型ビタミンD剤のサプリが有用です。

厚労省の定めるビタミンDの必要摂取量が元々低い上に、ビタミンDの過剰症に対する懸念から医薬品では、半減期の短い活性型のみが許可されています。

ビタミンDの働きは
・小腸、骨に作用してカルシウムの濃度を維持する
・ウイルス、細菌など感染症に対する免疫力を上げる
・アレルギー反応を抑える
・細胞増殖阻害作用(多くの癌にも有効)
・卵子や精子の形成、着床、妊娠経過への影響
など多岐にわたります

長野県におけるコホート研究において、1,470 人の閉経後女性(63.7±10.7 歳)を平均 7.2 年間追 跡した結果、血清 25─ヒドロキシビタミン D 濃度が 50 nmol/L 未満の例は 49.6% にみられ、血清 25─ヒドロキシビタミン D 濃度が 62.5 nmol/L 以上群に対し、62.5 nmol/L 未満の長管骨骨折に対す る相対危険率は 2.20(95% 信頼区間 1.37~3.53)であり、ビタミン D 不足が骨粗鬆症性骨折リスクを増加させることが示されています 。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/91/2/91_135/_pdf

インフルエンザにも有効です。冬季に毎日1,200IUのビタミンDを摂取した生徒群は、プラセボ(偽薬)を摂取した生徒群に比較して、42%も季節性インフルエンザにかかる率が低かったとの報告があります。

リコード法(認知症の治療法)でも、認知症のリスクファクターとして注目されています。

うつ病との関連も指摘されています。

推奨量は、5000~10000IU(1~2錠)。

花粉症対策には、Dを20000~30000IU (4~6錠)で開始する。症状が落ち着いたら5000~10000IU(1~2錠)に減量します。

過剰症については、非活性型のサプリを摂取した場合は、腎臓での活性化が厳密に調整されており、過剰症の心配はないと言われています。

まとめとしては、

ビタミンD不足を補いたい時には、ビタミンDサプリメントの摂取が有効です。

薬である活性型ビタミン製剤では、ビタミンDの補充は行えません。

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