慢性炎症と精神疾患

2019年8月16日

2010年ごろを境に、製薬会社は抗うつ剤の開発をほぼ中止しています。

既存の抗うつ剤の方向性ではなくて、違う方向性を模索している最中です。

新たな方向性として、うつ病と炎症との関連が注目されています。

サイトカインとは、白血球(マクロファージなど)や脂肪細胞から分泌される主に炎症に関係する生理活性物質です。

・C型肝炎のインターフェロン治療中にうつ状態になる人が多い。

・慢性炎症性疾患で、うつ状態になる人が多い。

・抗サイトカイン剤で、うつ状態が改善する人がいる。

・精神疾患の患者の血液中のサイトカイン濃度が高く、炎症性マーカーも高い。

・ワクチン接種で、一過性のうつ状態を起こすことがある。

・冬季うつ病では、冬季に血中サイトカイン濃度が上がる。

・貧困、孤立、過労などのストレスがかかると、炎症性バイオマーカーであるサイトカインやCRPが上がる。

サイトカインは、急性炎症の際に一時的な火消し役として働きます。

ところが慢性炎症があると、長期に渡ってサイトカインが分泌されることになります。

肥満が強くなると脂肪細胞から悪性のサイトカインが長期間分泌されます。

サイトカインが脳に作用する機序は、IDO(indoleamine-2,3-dioxygenase)という酵素を刺激して、キヌレニン経路を活性化する説が有力です。

サイトカインは、分子量20000ほどのタンパク質なので、どうやって脳血液関門を突破するのかについては、3つのルートが考えられています。

慢性炎症の原因は何かと言えば、炎症性腸疾患をまず思い浮かべます。

腸に炎症を起こさせないような食事療法・栄養療法が基本的な治療となります。