うつと腸内フローラ

2019年11月26日

マウスでは、腸内フローラの移植で、性格が変化して活発になったり、臆病になったりすることが知られています。

うつ病患者での便の移植治療は、論文ベースではまだ発表されていません。

便移植の体験談としては、移植後すぐに精神症状に変化が現れることが知られています。

翌朝、目が覚めたときに「あれ?」と思いました。若いときと違って、朝目覚めるとうつうつと嫌なことばかり考えるので、年を取ると嫌だなと思っていたのですが、それがないのです。

「うんちのクソヂカラ」潰瘍性大腸炎の患者体験談より。

思考や認知をすぐに変化させることは難しいかもしれませんが、感情が変化するスピードは早いようです。

精神症状に関係すると言われる神経伝達物質のほとんどは、腸内細菌によって作られて、脳内ではごくわずかしか作られません。腸内細菌によって作られた神経伝達物質が腸脳相関によって、精神症状を形作っていると言われています。

うつと腸内フローラとの関係で言えば、動物実験でもうつ病患者でも、腸内の乳酸菌とビフィズス菌が減少しており、これらをプロバイオティクスで摂取することによって、うつ症状が改善することが報告されています。

2016年にAkashelnらは、うつ病患者40名を無作為に2群に分けてプロバイティクスを投与したところ、精神症状、インスリン抵抗性、グルタチオン濃度の改善を認めました。

2016年にHuangらは、総論を発表しています。96論文から選ばれた5論文(対照群183名、患者群182名)を解析しています。

うつ病の心理検査で評価すると、プロバイオティクスは、うつ病患者だけでなく健常者にも有効であった。一方で、65歳以上に対しては効果が認められなかった。

腸内フローラの改善が腸脳相関を介して、海馬のBDNF発現を高めるという報告もあります。BDNF は神経の可塑性において極めて重要な役割を果たし、抗うつ薬や通電療法などのうつ病治療のメカニズムにおいて最終共通経路であることが示唆されています。

プロバイティクスではなくて、食べ物で乳酸菌とビフィズス菌のエサを摂取する方法があります。

主なエサになるのは、乳酸菌は水溶性食物繊維で、ビフィズス菌はオリゴ糖です。