ビタミンB12の特殊性

2020年3月4日

ビタミンB12に関する総論が出ています。

8種類のビタミンB群の中で、ビタミンB12だけが特殊な存在です。

ビタミンB12は動物性食品にだけ含まれています。

ハリソン内科学よりビタミンB12の量についての抜粋です。

最大で体内に5年分貯蔵が可能であると言われています。

主な代謝経路は、上記の2つです。

1.ビタミンB12の吸収は複雑

食品中のビタミン B12 は肉や魚のたんぱく質と結合しており、胃酸とペプシンの作用で遊離します。遊離したビタミン B12 は唾液腺および胃液由来のハプトコリンと結合し、次いで十二指腸においてハプトコリンが膵液中のたんぱく質分解酵素によって部分的に消化されます。ハプトコリンから遊離したビタミン B12は、胃の壁細胞から分泌された内因子へ移行します。内因子-ビタミン B12 複合体は腸管を下降し、主として回腸下部の刷子縁膜微絨毛に分布する受容体に結合した後、腸管上皮細胞に取込まれます。

2.内因子による吸収機構の飽和

食事当たり 2μg 程度のビタミン B12 で内因子を介した吸収機構が飽和するため、それ以上ビタミン B12 を摂取しても生理的には吸収されます。よって、ビタミン B12 を豊富に含む食品を多量に摂取した場合、吸収率は顕著に減少します。

ビタミンB12の吸収は、内因子によって厳重に管理されています。

ただし内因子を介する能動的取り込み以外にも、粘膜からの受動的拡散による吸収も微量(1~5%)で行われています。

3.ほとんどされない排泄(1日排泄量は体内貯蔵量の0.1%)は、便と尿

胆汁中には多量のビタミン B12 化合物が排泄されるが(平均排泄量 2.5μg/日)、約45% は内因子と結合できない未同定のビタミン B12 類縁化合物である。胆汁中に排泄される真のビタミン B12 の半数は腸肝循環により再吸収され、残りは糞便へ排泄される。

肝腸循環では、胆汁酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンD、エストロゲンなどが、人が持っていない酵素を持つ腸内細菌によって、還元や加水分解されて再吸収されます。

4.尿中排泄

水溶性のビタミンB群8種およびビタミンCは、体内の必要量が飽和された後に、余分な量が尿中に排泄されます。ビタミンB12だけが、この法則に当てはまりません。

ビタミンB12は健常者であれば微量ですが、一定濃度で尿中に排泄されます。

腎障害があれば、B12の尿中排泄量が減り、B12の血中濃度が高くなってきます。

ビタミンB12の尿中排泄量は尿量に比例し、他の水溶性ビタミンは(体内飽和後は)投与量に比例します。

ビタミンB12以外の水溶性ビタミンは、尿中排泄量から体内の必要量を満たしているか逆算可能です。

この尿中飽和量と日本人の食事摂取量を比較すると、国の基準の3倍量が必要です。

ビタミンB12以外の水溶性ビタミンは、ビタノート尿有機酸検査で、体内必要量を満たしているかを調べることが出来ます。