<症例>LENSによるめまい、眼振の著効例

2021年3月17日

長年会社員として働いている30代女性の方ですが、感冒を契機としてめまい、異常眼球運動を発症して長期休職となりました。大学病院やめまい専門外来を受診しましたが原因が分からず、当院に初診となりました。

当院にて栄養学的な検査、脳波検査を受けて頂きました。定量脳波にて、左前頭葉(F3)の全般的な脳波の量(パワースペクトラム)の低下を認めたため、速効性のあるLENSを受けて頂きました。

実施直後より急速な回復を認め、復職となりました。

初診時に、もともとかなりの偏食があることが判明していたので、食事指導を最も重視していましたが、なかなか食事療法が実践出来ない状態でした。定量脳波にて、うつ状態の典型的な所見である左前頭葉での脳波の量の低下を認めました。(DLPFCでの脳機能の低下を示唆しています)同部位(F3)でのLENSの単回治療で急速に回復されて、根治となり復職となりました。

診断としては、自己免疫性小脳失調症グルテン失調症などを疑っており、めまいと異常眼球運動は耳鼻科由来ではなくて小脳由来であり、LENSは非侵襲的小脳刺激法と同じ効果(シナプスの可塑性に対して累積的な治療効果)を発揮したものと考えています。

体幹失調が目立たないケースなので、めまいの主訴に振り回された印象です。

非常に驚いたのは、遅延型食物アレルギーの結果が完全に正常だったことです。

自己免疫性小脳失調症では抗小脳抗体陽性率は約60%と言われており、これらの検査で100%陽性になるわけではありません。

セリアック病においても、小腸粘膜が内視鏡的に正常であっても、血清学的にセリアック病関連抗体が陽性である症例は少なくないことと、その患者群には下痢が46%、便秘が18%に見られました。(2009年、Ludvigssonら)逆に見れば、血清学的にセリアック病関連抗体が陽性であっても、胃腸症状のない人は1/3、粘膜が正常である人も少なくないということです。

やはり、小麦などの現代食などからリーキーガットとなり、自己免疫スペクトラムとして、小脳などを自己抗体が攻撃して、めまいと異常眼球運動を起こしたのではないかと考察しています。

再発しないことを願いますが、食事療法が出来ていなければ、再発する可能性が高いと考えています。