サウナによる解毒

2021年6月20日

サウナの医学的な効果については、心血管系、免疫、認知機能への有用な効果が報告されています。

サウナの作用機序は、ホルミシス(生体にとって有害なストレスであっても、少量であれば有益に作用する)によって、説明されます。

サウナの副作用については、これまでサウナに関する40の報告の中で6の副作用報告がありますが、サウナ活動の中止によって可逆的に回復すること、また低温サウナの使用によって解決できることが報告されています。(2018年、Hussainら)

急激な発汗に伴う脱水が起こるため、水分、ミネラル補給には注意が必要です。特に飲酒後のサウナは禁忌です。脳梗塞や心筋梗塞のリスクのある方や、高齢の方は、サウナに使用には十分な注意が必要です。

定期的なサウナ入浴によるストレスへの適応の改善は、激しい発汗による毒物の排泄によってさらに強化される可能性があります。重金属、農薬、およびさまざまな石油化学製品を含む多くの産業毒物が汗に排泄され、これらの毒物が阻害する代謝経路およびプロセスの強化につながる可能性があります。(2011年、Genuis)

ヒ素、カドミウム、鉛、水銀などの有毒金属の汗による排泄は、尿路と一致するか、それを超える排泄率で報告されています。(2012年、Sears)

ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)難燃剤(Genuis、2017年)、有機塩素系農薬(Genuis、2016年)、ビスフェノールA(BPA)(Genuis、2012年)、フタル酸エステル(Genuis、2012年)などの有毒化学物質や生体異物が、尿中排泄を超える速度で誘発発汗により排泄される可能性があるという報告もあります。

コカイン、ヘロイン、アンフェタミン、大麻、アヘン剤、および関連する代謝物などは汗中に排泄されることが報告されています。(Cone、1994年)(DeGiovanni、2013年)

2012年にRoseらは、メタアンフェタミンの慢性中毒になった警察官がサウナによる解毒で改善したことを報告しました。内容はハバードの解毒プログラムに従い、①20~30分の有酸素運動、②ナイアシンを中心とした包括的な栄養療法、③体液と電解質の回復のために30分ごとに休憩をとる中温サウナ療法を毎日合計約4時間行います。 通常は4週間から6週間行われました。

1990〜1991年の湾岸戦争の70万人の米国退役軍人の約30%が、湾岸戦争病と呼ばれる複数の持続的な症状を発症しました。病因は不明ですが、農薬や化学兵器を含むいくつかの有毒物質への暴露は関連性を示しており湾岸戦争病と呼ばれています。

2019年にKerrらは、この湾岸戦争病に対して解毒プログラムを実施して、有意な改善を報告しています。内容はハバードの解毒プログラムに従い、4~6週間毎日行われました。各セッションは、コップ一杯の水に溶解した特定の用量の粉末状の結晶性ナイアシン(即時放出)を飲むことから始まり、その後、トレッドミル、エアロバイク、または楕円形のマシンで、許容される中程度の有酸素レベルで20〜30分続きました。多くの場合、予想されるナイアシンの紅潮は、運動時間枠の間に始まります。次の2〜4時間は、低温(60〜80°C)の換気の良いフィンランド式サウナで過ごしました。必要に応じて、冷房休憩、シャワー、液体、電解質、食事を用意し、監督者が監督しました。ナイアシンの紅潮やその他の症状は、サウナの段階でピークに達し、その後消えます。他のビタミン/ミネラルサプリメントは、カルシウム-マグネシウム(Cal-Mag)ドリンクのグラスとともに1日中投与されました。コールドプレスされた多価不飽和ブレンドオイルとレシチンは、サウナセッションの後に摂取されました。

ナイアシンフラッシュが起こる必要最小量は、毎日服用していると漸増していきます。100mgでスタートして、5日から7日程度で漸増して、500mg、1500mg、2500mg、3500mgを目安にします。1000mgまでは毎日の報告で100mgずつ漸増、以後は200~500mg漸増します。3500mgでフラッシュが起きない場合は、5000mgまでは増やすことが出来ます。

2021年にGravesらも、湾岸戦争病の退役軍人に対する解毒プログラムを実施して有意な改善をもらたしたと報告しました。内容はハバードの解毒プログラムに従い、①20~30分の有酸素運動、②ナイアシン、マルチビタミン、マルチミネラル、脂肪酸などの栄養補給、③2〜4時間の低温サウナでの断続的な発汗です。期間は3週間から5週間行われました。