冷え性

まとめ:冷え性の原因は身体の代謝の低下です。

治療法は、代謝を積極的に上げる攻めの治療と、体温を逃がさない守りの治療があります。

冷え性は子供にも在りますが、中高年の女性に多いと言われています。

一般的には医学の対象となる病気ではないと考えられていますが、背景に甲状腺機能低下症、貧血、低血圧、低体温、レイノー病(膠原病)などが隠れている場合がありますので、チェックが必要です。

冷え性の原因は、基本的には身体の代謝の低下です。老化、低栄養(ダイエットのやりすぎ、小食、断食などによってlow T3 症候群になる場合があります)、運動不足などが関係しています。

高所や低気圧の影響でも、低体温になります。低気圧は低酸素でもあるので、交感神経系が抑制されて、皮膚血管収縮が小さくなることが原因です。

■攻めの治療(積極的に身体の代謝を上げます)

1.運動

冷えている場所は血流や代謝が落ちています。疲れない程度で、素早く、激しい運動ほど効果があります。筋肉量を増やすことで、局所の血流量を増やすことが出来るので、筋トレも有効です。

有酸素運動、無酸素運動、レジスタントトレーニングなどすべての運動が効果があります。

汗を掻いて汗腺を開くことが大事で、サウナや半身浴を利用する方法もあります。

2. ストレッチ

冷えている場所は、硬くなっている場合があります。ストレッチやマッサージが有効です。

3. 食事

糖質制限をやり過ぎて糖新生が起こる状態では、身体のタンパク質の分解が起こっています。これを防ぐために、身体が省エネモード(low T3 症候群)に入り、低体温になります。

糖質制限をやり過ぎないこと、プチ断食せずに1日3食以上食べることで、グルカゴンの分泌をさせないことがポイントです。

精製糖質は機能性低血糖を起こして、グルカゴンの分泌を誘発します。ジュースやお菓子などの精製糖質は避けて、複合炭水化物をある程度は積極的に摂取します。

つまり糖質量制限はほどほどに実施しますが、糖質選択はしっかり行います。

グルカゴンの分泌を促進させる動物性タンパク質(2019年、Mariaら)を摂りすぎないこと(標準体重1.0〜1.5g/kg/日)も重要です。

4.体温を上げる食べ物

にんじんジュース、生姜などが体温を上げると言われています。

特に生姜は、血行を改善して基礎代謝を上げますので、生姜茶などで積極的に摂取します。

蒸し生姜など、生姜を温めるとさらに効果が高いと言われています。

漢方薬の7割に生姜が入っています。加味逍遙散、胃苓湯、葛根湯 、小柴胡湯、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)などがあります。

体温上昇作用のあるホルモンはプロゲステロンです。植物性プロゲステロン作用を持つアブラナ科の野菜を摂取する方法もあります。

■守りの治療(身体から体温が逃げるのを防ぎます)

1.身体を温めるために、腹巻き、靴下の重ね履きが有効です。

2.毎日の入浴、足湯などで身体を積極的に温める生活が大事です。