<症例>AST40、ALT60、フェリチン200

糖質制限をされている方で、血液検査上で脂肪肝の様な病態になっている方がおられます。エコーは問題なく、医学的な非アルコール性脂肪肝ではありません。

これは低栄養性脂肪肝と言われる病態です。

強めの糖質制限を行うと、身体はエネルギー不足を防ぐために体中の脂肪を分解させて、遊離脂肪酸として血中に放出して肝臓でケトン体を合成しようとします。

そこで糖質を摂取するとインスリンが分泌されて、このケトン体を合成するために肝臓に集まった遊離脂肪酸から中性脂肪が作られて肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝となります。

完全な断糖であれば、脂肪肝にはなりません。

断糖中にお菓子やご飯を時々食べる場合や、糖質制限のレベルを日によって大きく変動させている方や、絶食に近い生活をされていて時々食事を摂る場合などにこの低栄養性脂肪肝は起こって来ます。

極端な高タンパク食の場合は、余ったアミノ酸がTCA回路を通り抜けて中性脂肪になりますので、脂肪肝を増長させる可能性があります。

特に植物性タンパク質を大量に摂取すると、ヒトの体組成タンパク質と合致しないアミノ酸が、TCA回路を通り抜けて、余剰分が中性脂肪になる可能性があります。(1962年、吉田ら

最短で治療する方法は、完全な断糖を継続することです。

完全な断糖の継続が難しい場合は、次善手として、①強めの糖質量制限、②糖質選択、③プチ断食を組み合わせて行う方法があります。

強めの糖質制限中の糖質量制限のレベルを変動させると、ケトフルと糖質酔いを往復することなり体調を崩しますので注意が必要です。

一旦取り入れた糖質は、排出では無く脂肪の燃焼の形でしか消費出来ませんので、簡単ではありません。

■運動療法も有効です。

運動は体重減少を伴わなくても、脂肪肝を改善することが報告されています。(2012年、Keatingら

週5回、毎回10分以上、軽い運動ではなく中等度から高度の運動が、脂肪肝の改善に有効であると報告されています。(2016年、Sungら

脂肪肝を改善するための運動方法は確立されていませんが、運動の期間や総量よりも強度が重要であると指摘されています。(2011年、Kistlerら)

レジスタントトレーニングが、有酸素運動よりも脂肪肝の改善に有効であると報告されています。(2011年、Hallsworthら

結論としては、脂肪肝を改善するための運動は、種類や強度よりも、最終的に長期間継続できる運動が望ましいされています。(2018年、Windt