中核的な恐怖・信念の書き換え〜ジェニーナ・フィッシャー

2022年5月7日

ジェニーナ・フィッシャーの「中核的な恐怖と信念の書き換え」のまとめ(一部改変)です。

トラウマによる解離からの回復の「潜在記憶(中核的な恐怖)の書き換え」

現在の症状から根底にある恐れ(潜在記憶)を探しに行きます。

トラウマ記憶から潜在記憶へ焦点を移していきます。目の前の派手なトラウマ記憶ではなくて、トラウマの引き金となる潜在記憶の感情、信念、防衛反応を特定していきます。この潜在記憶を治療ターゲットとして扱って行きます。

通常は、過去の潜在記憶から発した「悪いことが起こる」という恐怖が、現在に投影されたものが今の症状です。

中核的な恐れ(潜在記憶)にたどり着くには、段階が必要です。

1.パーツに「あなたは何を心配しているの?」と尋ねてみます。

どんな感情の言葉(怒り、悲しみ、恥、罪悪感、恐れ)が出てきても、パーツは中核的な恐れ(潜在記憶)を心配していると想定します。

パーツという言葉が馴染まない場合は、感情や身体感覚を聞いて、「その怒り」をもっと前に感じたことはありますか?「その喉の違和感をもっと以前に感じたことはありますか?と尋ねて、潜在記憶を探します。

2.パーツに「もし、その出来事が実際に起ったら、次に何が起こるのが心配ですか?」と尋ねます。

(どんな感情を訴えても、恐怖が根底にあると仮定して、出来るだけ具体的な内容の会話にします)

3.通常は中核的な恐怖とは、「安全が脅かされる」という内容です。

「もし、それが起こったら、パーツ(彼または彼女)は安全ではないのですか?」と尋ねます。

4.2〜3を繰り返していくと、2〜4回で中核的な感情にたどり着きます。

生存にまつわる恐怖か見捨てられ恐怖のどちらかで、言葉にすると、「私は孤立している」、「閉じ込められる」、「圧倒され、バラバラになる」などが一般的な中核的な恐怖です。

5.潜在記憶を持つパーツに対して、何がリソースになるのか探します。

「中核的な恐怖が、怖くなくなるためには、今ここで何が必要ですか?」と尋ねます。

大抵の場合は、「あなたのような大人が居れば、怖くないかもしれない」などと答えが返ってきます。

6.5のリソースを、イメージの中で確保した状態で、潜在記憶を想起します。

過去のトラウマ記憶のシナリオと異なるストーリーになるはずです。

7.潜在記憶が書き換えられた体験をした後で、身体の感覚を尋ねてみます。

ポジティブな感覚が出てくれば、それを満足するまで味わいます。

8.身体の違和感が無くなるまで、またはリソースの候補が複数出てくれば、5〜7を繰り返します。潜在記憶の書き換えのストーリーは、数が多いほど治療的です。

9.クロージング

Transforming The Living Legacy of Traumaの自由への4つのステップ

自由への4つのステップは、トラウマからの回復に不可欠な中核的な信念の書き換えです。

ステップ1.あなたが今経験している症状は、幼年期の過去のトラウマが引き金となったものと仮定します。

ステップ2.幼少期の歴史を早送りして、今気づいている感情や身体感覚が、過去のどの時期に一番関連しているかを探します。その苦痛の根源となる過去のトラウマ体験に結びつけます。

早送りとは、20~30秒以内という意味です。それ以上、過去に焦点を当てたり、考えたりすると、トラウマ反応を活性化させる危険があります。

ステップ3.そのトラウマ体験の結果生まれた、内面化された古い信念を特定します。

自分自身に問いかけてください。過去のトラウマの状況では、どの人間が自分について何を信じるようになれるのでしょうか?

あるいは、あなたが日々最も困っている否定的な信念について考え、それが現在のあなたではなく、過去に関連しているものだと特定します。

ステップ4.その古い信念に挑戦する方法を見つけて、今日のあなたの生活にもっと合った新しい信念を探して行きます。

あなたはその信念に「古い」というラベルを貼った時点で、すでにその信念に挑戦しているのです。これが最初の一歩です。

次の一歩は、「私は生き延びるためにこれを信じなければならなかった」 とか、「この信念が私をもっと○○にしてくれたので、生き延びるのに役立った」 というような、新しい可能性のある信念を作り出すことです。

過去には必要であった古い信念であるが、現在は必要ないことに気づいてください。

新しい肯定的な信念を思い付いたり、それを信じるように自分に期待したりする必要はありません。必要なのは、古い信念に挑戦することだけです。

自動的に出てくる否定的な古い信念が現在のあなたを苦しめることは、あなたの心がそれに挑戦せずに諦めたわけではないというサインです。

何が子供の貴方に、その古い考えを信じさせたのでしょうか?

過去ではなく現在の貴方の生活により合う新しい信念を探します。

新しい信念に挑戦することが難しいと感じた場合は、いつでもただ単に、その新しい信念に興味や好奇心を持つようにします。

その古い信念が、神経生理学的なメカニズムで発生したことを理解することが出来れば、興味や好奇心の対象として捉えやすくなります。