栄養療法が通用しないドーパミン過剰症状
まとめ:薬物療法が完全に間違っている訳でも、栄養療法ですべてが解決する訳でもありません。
栄養療法は不足しているものを補うことで、体調を改善していく治療法です。
現代食では糖質は過剰ですが、ほとんどの栄養素が不足していますので、これを補って行けば体調は概ね改善していきます。
栄養療法が通用しない代表的な症状が、ドーパミン過剰症状です。
ドーパミン不足の症状は、ADD/ADHDなどで顕著に現れますが、不足したドーパミンは前駆体のチロシンやタンパク質の摂取で改善が可能です。
一方で、ドーパミンが過剰になる場合は、栄養療法での対応が難しくなり、医薬品のドーパミン遮断薬が必要になってきます。
ドーパミン過剰症状としては、①食欲不振、②体重減少、③攻撃性、④猜疑心、妄想、幻聴が代表的な症状です。
これらの症状がなかなか改善しない場合は、薬物療法が必要で、第一選択の治療になります。
これらの症状は、ADHDに使われる精神刺激薬の副作用、敏感関係念慮、急性期の統合失調症、アンフェタミン(覚醒剤)の症状と同じです。
反対にドーパミン遮断薬の作用は真逆で、①食欲亢進、②体重増加、③攻撃性の低下、④抗幻覚妄想作用です。
ドーパミン系の過剰と遮断で、明確にこれらの症状の説明が可能です。
オーソレキュラー(分子整合医学)で提唱された統合失調症のアドレノクロム仮説
アドレナリンの酸化派生物であるアドレノクロムによって幻覚妄想が起こってくるという仮説です。これを防ぐために、ビタミンB3およびビタミンCの大量療法を行う方法が提唱されていましたが、現在は推奨されていません。