レスベラトロールと新型コロナ

まとめ:レスベラトロールは、ACE2の阻害ではなく、増殖を阻害することで新型コロナに対して保護的に働きます。

レスベラトロール(resveratrol)は、ブドウ、ピーナッツの皮、ベリーなどに含まれるポリフェノールの一種です。

レスベラトロールは、日本と中国で心臓病や脳卒中の伝統的な漢方薬として、イタドリ<タデ科、漢方;虎杖根(コジョウコン)>根に含まれており、イタドリ茶を飲むことで摂取することも可能です。(2002, Bruns)

現在サプリは市販されていますが、処方箋として病院で処方可能な漢方薬でレスベラトロールを含んでいるものはありません。

レスベラトロールは、腸内細菌叢の組成とSCFA(短鎖脂肪酸)産生させて、大腸炎の発症を防ぎ、炎症をなだめる作用を持つ制御性T細胞(Treg細胞)を誘導することが報告されています。(2019, Alrafas)Treg細胞は、免疫応答機構の過剰な免疫応答を抑制するためのブレーキ(負の制御機構)や、免疫の恒常性維持で重要な役割を果たします。

レスベラトロールは、メトフォルミンと同様にAMPKを活性化させてオートファジーを促し、老化予防、神経保護、抗がん作用を発揮します。(2022, Sorrenti)

レスベラトロールによるMERS(2017, Lin)および新型コロナウイルス(2020, Ramdani)に対する抗ウイルス効果が報告されています。

レスベラトロールは、重度の呼吸器感染症の原因となる多数のウイルスに対して有望な抗ウイルス活性を示しています。(2020, Filardo)

レスベラトロールは新型コロナウイルスの複製を阻害することによって保護的効果を発揮します。(2021, Pasquereau)(2021, Yang)

レスベラトロールは新型コロナウイルスの入口であるACE2受容体をダウンレギュレート(減少)して、保護的に働くことが報告されています。(2021, de Ligt)(2021, Jiang)