単に新型コロナワクチンを1回打っただけで、1.3%の人に健康被害が起こります

約30万人を対象にして新型コロナワクチンの接種前後で、新たに健康被害の診断を受けた方を調べたところ、1.3%の方が新たな医学的診断を受けたことが報告されています。(2022, Kwan)

この論文は、「COVID-19ワクチン接種およびSARS-Cov-2感染後の姿勢起立性頻脈症候群診断の明らかなリスク」という表題で、新型コロナワクチン接種前後と新型コロナ感染前後の健康被害を比較して、POTS(姿勢起立性頻脈症候群)が起こる頻度が実際の感染のほうがワクチンより5倍多いことが結論です。

この論文の結果を切り取ると、単にワクチンを打っただけで、どのぐらいの割合で、どのような健康被害が起こるのか見えてきます。

ただしこの結果は、ワクチン接種後3ヶ月以内に、わざわざ外来を受診して医学的診断を受けた人の割合なので、実数はもっと多くなるはずです。

この図はワクチン接種前と後で比較した、新たに診断を受けた比率を表しています。元々ワクチン接種前に疾患を持っておられた方と、ワクチン接種後に新たな診断を受けた方の数を比較して、比率で表しています。

以下の表が、ワクチン接種前後での、新たな医学的診断の絶対数の比較です。

ワクチン接種前に既に医学的診断を受けていた方の絶対数は16322人で、接種後に新たに診断を受けた方の絶対数は20020人で、増加率は約23%です。

接種前後で新たに診断を受けた方の絶対数の差は、3698人です。

この接種後に新たに診断を受けた3698人の全体の対象人数の284592人に対する比率は、約1.3%です。

単に新型コロナワクチンを1回打っただけで、新たに起こる健康被害の割合は、1.3%になります。

接種後に増えた健康被害を絶対数で見ると多いのは、高血圧、高脂血症、倦怠感、腰痛、不安の順番です。