神経性過食症を漢方で改善|論文

まとめ:神経性過食症は中医学では、初期の胃熱から、慢性化すると脾胃虚弱、肝鬱、肝胃鬱熱、陰虚、寒湿などが複雑に関与すると考える。治療は清胃熱・健脾・疏肝理気を基本とし、太子参、白朮、茯苓、甘草、陳皮、砂仁、木香、紫蘇、白芍、柴胡、鶏内金、桑白皮、五加皮、木瓜、益母草、丹参、桃仁、赤芍を用いた香砂六君子湯加減や、肝火犯胃には香附、炒白朮、枳実、升麻、当帰、茯苓、生地黄、牡丹皮、生石膏、清半夏、生大黄、甘草、石菖蒲、郁金、灯心草、苦参などが報告されている。別の症例では、肝気鬱滞・脾失健運を中心に疏肝理気・温補脾陽・滋陰養胃を行っている。

神経性過食症は中医学の「食亦」に類似し、病位は主に脾胃で、肝・胆・大腸も関与するとされる。初期は胃熱による多食易飢が中心で白虎湯・白虎加人参湯などを用いるが、病期が進むと飲食不節や過度な節食によって脾胃が損傷し、脾虚のためかえって多食を求める状態が主体となるため、補脾・健運を中心とする。 さらに脾虚から肝失疏泄を来して抑鬱や月経異常を伴う場合には疏肝・活血を加える。症例では脾胃虚弱・肝鬱血滞に**香砂六君子湯加減(太子参、白朮、茯苓、甘草、陳皮、砂仁、木香、紫蘇、白芍、柴胡、鶏内金、桑白皮、五加皮、木瓜、益母草、丹参、桃仁、赤芍)**を用い、多食易飢や胃脘不快が改善したと報告されている。 (2011年、徐鵬)

精神性過食症は、抑えがたい過食と、その後の自己誘発性嘔吐を特徴とし、長期の嘔吐では低カリウム血症による脱力・不整脈・腎障害などを生じ得るとされる。 中医学的には肝火犯胃を中心病機とし、精神的緊張などから肝火が内盛して胃を犯し、胃熱が亢進することで消穀善飢を来すと捉え、疏肝解鬱・清火降火を治法とする。処方として香附、炒白朮、枳実、升麻、当帰、茯苓、生地黄、牡丹皮、生石膏、清半夏、生大黄、甘草、石菖蒲、郁金、灯心草、苦参が提示されている。 (2001年、馮大夫)

神経性過食症は肝気鬱滞を中心に、木不疏土による脾失健運、鬱火による肝胃鬱熱・陰虚、脾の寒湿が混在する本虚標実・寒熱錯雑の病態と捉え、疏肝理気・温補脾陽を中心に滋陰養胃を兼ねて治療する。症例の具体的な構成生薬はPDFから判読不能。 (2005年、胡楠)