内的家族システム療法〜実践編
内的家族システム療法、私の中に住む人たち: IFS(内的家族システム)へのお誘い、No Bad Partsのまとめと考察の続きです。
■基本のIFSの手順
1.リラックスして目を閉じます。(目を開けていてもOK)
2.身体の内側に意識を向けていきます。(外から内受容感覚へ、見つける)
身体全体の身体感覚をスキャンする方法があります。
3.何か身体感覚を感じたら、そこに意識を向けて、留まるようにします。(集中)
4.その身体感覚に興味を持って、歓迎する気持ちを持ってみます。
5.その身体感覚を手の上に出す、紙の上に書くなどしてみます。(外在化)
形や色や動きなどの複雑さを表現してみます。(肉付け)
6.今のあなたは、その身体感覚をどう感じますか?と尋ねます。(感じる)
7.強い感覚が出てきたら、「圧倒しないでもらえますか?」、「少しボリュームを下げてもらえますか?」、「少しリラックスしてもらえますか?」とお願いします。(調整)
8.圧倒されなくなったら、そのパーツに「あなたの言いたいことは何ですか?」、「あなたの役割は何ですか?」と尋ねます。(友達になる)
9.そのパーツと友達になるように、パーツが満足するまで、対話したり、感じたりして時間を過ごします。(友達になる)
10.パーツが満足したら、感謝やねぎらいを伝えて、対話を終えます。
11.次に出てくるパーツと3から繰り返します。
■IFSの応用
1.パーツとの会話中に別のパーツが邪魔をしてきた場合
「少し脇に寄ってもらえますか?」、「ちょっと離れていてもらえませんか?」、「少し休憩していてもらえますか?」、「少しリラックスして、話を聞いていてもらえますか?」と頼んでみます。(承認→ブレンド解除)
ひとつひとつのパーツと信頼関係を作ることが大事で、同時に複数のパーツを扱わず、ひとつのパーツだけを扱います。(集中)
2.パーツとの対話を進めるとトラウマを抱えたパーツが出てくることがあります。(追放者)
このトラウマを扱うには、このパーツを守ってきたパーツの承認が絶対必要です。
承認が取れたら、ジェニーナ・フィッシャーの方法、SE、EMDR、フォーカシングなどでそのトラウマそのものを扱います。
3.IFSのセラピストの唯一の役割は、トラウマセラピーではなく、パーツのセルフへのアクセスのサポートです。
セラピストは、セルフとパーツとの仲介役です。
セラピストの役割は、正しい解釈の提供、課題の提供、過去のトラウマとの対峙、パーツの統合ではありません。
そのためのGPS機能は、セラピストのセルフのエネルギーです。困ったことが起きたら、自分のセルフに戻り、常にこの瞬間に好奇心を向けて、創造性を発揮させます。
4.抵抗はむしろ重大な情報を与えてくれます。難しいパーツが出て来ても争う必要はありません。「あなたが出てきてくれて嬉しいです。私に何を知ってほしいですか?」、「もし〇〇パーツ(厄介なパーツ)が居なかったとしたら、〇〇さんはどうなっていたと思いますか?」、「○○パーツさんの、存在する意味は何でしょうか?」と尋ねます。
5.過去を振り返ることが圧倒されるほど強烈でないことを確認できたら、トラウマセラピーを行うのはどうでしょうか?そうすれば、中にいるパーツ全員が安心できるし、どのパーツも極端なことをしなくて済みます。(IFSの鍵になる問いかけ)
6.アイコンタクトは、パートがクライアントのセルフとしっかり接触するのを助ける効率的な方法です。
7.「追放者を過去から 連れ出すことができるとセルフから追放者に言ってください」と説明します。セラピストがこれを付け加えるのは、追放者が終末を理解することを望んでいるからです。過去に囚われているパーツは、しばしば過去から離れる可能性に全く気づいていません。(IFSの鍵になる問いかけ)
8.追放者は通常、セルフに自分のトラウマ的な経験を目撃してもらい、それを書き換える手助けをしてもらいたいと思っています。
9.パーツ(防衛者も追放者も)は、セルフに興味を持ってもらうい、承認され、愛さていると分かると、自分の負荷を手放し、自分は過去に生きているのではなくて、現在に生きていて、十分に足りていることに気づきます。
10.パーツに対して、「他に何か伝えておきたいことはありますか?」、「何か知っておいて欲しいことはありますか?」(IFSの便利な問いかけ)