イエール大・岩崎教授が『反ワクチン』レッテルを貼られたと反撃
イエール大・岩崎教授がNature Reviews Immunologyに寄稿した意見論文で「ワクチン接種後の負の影響を研究すると『反ワクチン』レッテルを貼られ、出版やキャリアが阻害される」医学界の現状に抗議。科学的議論の自由を訴えている。(2026, Iwasaki)
私自身も、物事を「確実」だと決めつけたいという誘惑を目の当たり にし、時にはそれに屈してしまったこともあります。科学者は往々にし自分の考えに 「100%確信」しており、その立場に疑問を呈する者を愚か者扱いしてしまいます。 「議論は専門家に任せろ」「自分の専門分野に専念しろ」「素人免疫学者の言うことなど聞くな」 といった言葉は、主流の見解に疑問を呈する者を一蹴し、嘲笑するために使われるのです。 確かに、 ソーシャルメディアは、理性的で敬意ある議論を行うために設計され たものではありません。しかし、「科学者に疑問を呈するな」という姿勢は、多くの人々を疎外し、科学 への信頼を失わせる確実な道であり、科学的なプロセスそのものにも反するものです。 科学とは、概念や仮説が複数のグループによって検証され、物事の仕組みを理解し進歩を遂 げるために不可欠な学術的真理を築き上げる反復的なプロセスです。しかし、学術的に主流の見解がイデオロギー的あるいは政治的な偏見と結びつくと、それ自体が制約となり、それに反対する視点を抑圧する主義へと変質しうるのです。 (中略) 科学者への評判の失墜、資金提供の途絶、昇進の機会喪失…これらを恐れるあまり、業界の定める「主流の見解」の枠内に留まるよう求められる圧力はかつてないほど高まっており、ソーシャルメディア上ではそれが 大規模に増幅されています。しかし、その枠内に留まり反対する視点を抑制することは、科学への信頼と進歩を損なう可能性が大いにあることを忘れてはなりません。
(中略) ウイルスの起源に関する議論は極めて二項対立的です。 実験室からの漏洩が原因である可能性(研究所起源説)を指摘した人々は、しばしば陰謀論者や人種差別主 義者と呼ばれ、科学界から排除されました。嫌がらせや軽視にも直面しました。主流メディアの報道も彼らを無視・差別し、事態を悪化させました。 (中略) 世界がいかに二極化していようとも、我々は科学的活動を守り、主流の見解に反する意見を発し、理論を検証する能力を維持しなけれ ばなりません。 その目的は、悪意ある主張や誤情報を正当化することではなく、高い科学的エビデンスを遵守 しつつ、不都合な疑問を投げかける権利を保護することです。その枠組みにおいて科学は、ワクチンの安全性、接種後副反応、パンデ ミックの起源に関する疑問について、率直かつ冷静な議論の場を設けるべきです。 「真の科学的進歩は、異論を保護する文化にかかっている」のですから。 (中略) 一部の企業や資金提供者には、 特定の研究分野への支援を避ける傾向があります。著名な学術誌でさえワクチンの安全性を強調する論文掲載を好む傾向にあ り、物議を醸す論文を避ける傾向があります。 (中略) 学術誌は、異論に富んだ公正な議論を促進することに尽力すべきです。査読者は、客観的な科学的 評価や出版を妨げる恐れのある政治的な偏見を持ち込まず、論文の科学的価値を評価する ことに専念すべきです。最後に、若手研究者や研修生に対しては、敬意を払った異論の表明 が優れた科学に不可欠であることを指導し、教える必要があります。
